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蕎麦と目玉焼とダダイスト
仕事のある日には、朝は必ず食べるようにしている。それと、弁当をこしらえるのが出勤前にやることである。
今朝はご飯を炊かなかったので、ざる蕎麦にした。薮そばの歯ごたえも心地いいが、近頃は更科の喉越しを楽しんでいる。弁当に目玉焼きを入れるついでに、もう一つ卵を割って薬味の脇に添えてみた。
冷えたトマトに大葉と葱、手ずから刻んだ大判海苔、あっさりな贅沢さにさっぱりとしていると、五輪真っ只中にあってニュースでは日本勢のメダルラッシュを報じていた。
無意識であったが、目玉焼きが金メダルのようでもあり、日の丸のようにも思われた。卵はまずまず高いのを買うので、黄身が朱色に輝くからかもしれない。
明日はその光をかき混ぜて、卵かけご飯にしてみようかな、などと考えていると、ダダイストたちの運動も、卵かけご飯のようなものかもしれない、とも思えてくるのだった。