長崎と戦争という過ち
長崎平和記念式典の中継を見ていると、
ーー水を…水を…水を飲みたい…
そう言って、数え切れない人が死んで行ったのだ、とアナウンサーが教えてくれた。
戦後76年、本当に忘れてはいけない、戦争という過ち。
「命ある限り、被爆の体験を語り続けることを誓います」
被爆者代表、岡信子さんの言葉に瞑目する。
長崎、広島、沖縄、各地の空襲、南方や大陸、シベリアで命を落とした尊い命、その方々に背負わせてしまった戦争という重みを、感じなければならない。
テレビから聴こえる蝉の声に思う。人間も、蝉も、鳥も、魚も、微生物も、カビも菌も、一瞬で消失したのだろう、と。
戦争が廊下の奥に立つてゐた
銃後と言ふ不思議な町を丘で見た
夏の海水平ひとり紛失す
地平より原爆に照らされたき日
雪の街畜生馬鹿野郎斃つちまへ
※斃(くたば)つちまへ
赤く青く黄いろく黒く戦死せり
玉音を理解せし者前に出よ
無季俳句の巨人、渡邊白泉の句が突き刺さる。
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