第五人格の大会(IJL)が見たくて頑張った話

はじめに

これは、第五人格IdentityVの大会観戦が大好きな社会人が週末のIJLの試合を観戦するために全力と全幸運をかけた、ある週の記録。(めちゃくちゃどうでもよくて長い話)

第五の大会はいつも自宅PCからYoutubeで視聴している。大会期間中は、だいたい午前中に家事を片付けて午後はゆっくり着席して応援するのが週末の定番スタイルだ。

周到な計画

ことの始まりは出張だった。
「この週のイベント手伝ってほしいので出張できますか」
最初に確認したのは大会スケジュールだ。イベントは金曜が最終日なのでその日のうちに帰れば土日の観戦には影響しない、と思って軽い気持ちでOKしたら「最終日は打ち上げしましょう」ときた。飛行機移動の民なので一泊追加と、それによって土曜の大会が見られないことが決定した。
いや、大会は土曜の14時からだから、手を尽くせばまだ何とかなるはず。

まずホテルだ。運悪くイベント会場は空港からとても遠かったので、最終日だけ空港のすぐそばの宿に変更した。打ち上げ後の長時間移動は疲れるだろうが、大会観戦には代えられない。23時チェックインで予約した。

次にフライト。土曜のフライト出発時刻は悩みに悩んだが、朝の起きられなさには自信があったので、家までの所要時間から逆算してギリギリ14時過ぎには帰宅できる時間の便にした。放送開始は14時だけど試合開始は14時15分くらいのはず。ギリ間に合う。

決戦の朝

そして出張最終日の朝。(仕事は無事に終わった)
今回は長めの出張で荷物が重く、体力も限界に近かったので少し早めに空港へ行き、さっさと荷物を機内に預けてしまおうと考えた。これは珍しいことだった。到着後の荷物待ちの時間が面倒で普段は機内持ち込み派だからだ。
ところが手荷物を預ける機械がエラーを吐く。なんてこった、慣れないことをしようとしたせいなのか。早くも後悔しかけた。

どうやら乗る予定の飛行機に何かトラブルがあり、手荷物の受付を一時的に中止しているのがエラーの理由だとわかる。嫌な予感がした。もしかすると、この便は予定通りに離陸しないのではないだろうか。

もともと空港には少し早めに着いていた。慣れない手荷物を預ける手続きのためでもあるし、お土産を物色する時間も確保したかったし、ホテルからの送迎車の利用客がこのとき自分一人しかおらず時間より早めに出発できたこともあったし、道路も空いていた。いろいろと幸運が重なって、乗る予定の便より1時間早い便の搭乗が、まだギリギリ締め切られていなかったのだ。

変更できるチケットを取っていたのも幸いした。前の便は満席の表示だったが、一縷の望みをかけてキャンセル待ちを申し込む。朝早い便だし、何らかのトラブルで乗れなくなった人の一人や二人、いるかもしれない。根拠はなかったが無駄に自信が湧いてきた。初めてのキャンセル待ちで、この手続きが正しいのかどうかもよく分からなくて心臓がバクバクしはじめた。落ち着こう、よく読めば大丈夫、たぶん。でも時間が無い。

キャンセル待ちが完了したら、次は保安検査場だ。乗れるかどうかは分からないが、キャンセル待ちを申し込んだ人は搭乗口まで行って待ってる必要がある。予定より1時間早い便なので保安検査の〆切も10分後に迫っていた。
ところが保安検査場の入口でまたもエラーが出た。乗る予定の飛行機の機材変更によって座席が変更になる人は、保安検査場を通る前にカウンターへ行って説明を受ける必要があるとのことだった。(これは航空会社によって対応が異なるかもしれない)

何でも変更してもらって構わないので今は急いで前の便のキャンセル待ちに賭けて保安検査場を通りたかったけれど、仕方が無いのでカウンターに向かう。(すごく遠い)
この時点で保安検査場の〆切5分前だったし、カウンターは混んでいたので待っている間に〆切を少し過ぎてしまった。でも不思議な自信で、何とかなるような気もしていた。

カウンターの地上係員さんは素晴らしく察しが良かった。説明を受ける前に開口一番「〇時発の便のキャンセル待ちを申し込んでいるが、保安検査場を通れずこちらで説明を受けるよう案内された」と伝えると、係員さんはすぐにカタカタカタッと何か確認し、裏の人とも口頭で確認を取り合い、「手荷物大丈夫? 危険物無い? この便には大量の空きが出ているのでおそらく乗れます、今ここで搭乗手続きをするので別のスタッフと一緒に保安検査場に向かってください」と怒涛の勢いで発券してくれた。航空会社の人たちには感謝しかない。

重い荷物は結局機内持ち込みになり、お土産を見る余裕も無くなり、長い長い空港の通路を端まで超早歩きで駆け抜けることになったけど、何とか搭乗〆切直前に滑り込むことができた。

もう少しだけ色々あってこの飛行機は多少遅れたけれど、最終的にもともと予定していた便よりも早く13時50分に帰宅できて、無事にこの週も14時開始のIJLの試合をリアルタイムで観戦することができたのだった。
めでたしめでたし。

余談

あとで確認したところ、予定していた便はやはり様々なトラブルのあおりを受けて結局2時間以上も到着が遅れることになっていた。
あのとき珍しく荷物を預けようと考えていなかったら、機材トラブルや変更にも気付くことなくのんびりお土産を物色して、前の便へのチケット変更も思いつかず間に合わず、搭乗口の前で2時間近く待ち、IJLの第一試合を丸々見逃す羽目になっていたかもしれない。

色々な人の力を借りて、自分の幸運の貯金もたくさん払い出して、この日のIJLの試合をリアルタイムで見ることができたのだな、とこの世のすべてに感謝をささげながら今週もIJLを楽しんだ。

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