小説 オーズ Parallel Ankh 11
復活のコアメダルの続きを(勝手に)描いた2次創作です。あくまで続編であることをご理解下さい
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鴻上は俺の突進に少し怯んだものの、メダガブリューで反撃を入れる。折角完全体になれたんだ、あの時みたいにコアメダルを砕かれてたまるか
「プトティラコンボ…これは凄まじい力だね。アンクくん、タジャドルコンボにも興味がある。君のコアメダルも渡してくれないかね?」
「お前なんかに渡すわけねぇだろ!」
火炎弾攻撃で反撃するも相変わらず効いてる様子はない。しかし時間は充分に稼げたようだった
「充填完了!後藤ちゃん、行けるか?」
「はい!アンク、避けろ!」
伊達と後藤が武装したキャノンを構えた。俺は翼を拡げ上空へと飛び上がる
「ブレストキャノンシュート!」
「サソリキャノンシュート!」
『セルバースト!/ソカビ コアバースト!』
2つの攻撃は凄まじい勢いで鴻上へと向かう。しかし鴻上は怯まずメダガブリューをバズーカモードに変形させた
『プットッティラーノヒッサーツ!』
2つの攻撃は中央で均衡状態となった
「オーズとバース、どちらが優れているかなど10年前から結論は出ている!私の勝ちだ!!」
鴻上の攻撃が増大し、押し負けそうになる伊達と後藤の後ろに回り、俺は巨大火炎弾を押し込んだ
「会長、俺達は2人じゃねぇぞ!」
「火野やアンク、皆の想いも背負ってるんだ!」
負けじと叫ぶ後藤達の攻撃は威力を倍増させ、鴻上の攻撃を貫いた。チャンスは今しかない…!
俺は猛スピードで鴻上に近付き、紫のメダルをドライバーから外した
「アンクくん…君の狙いはこれかね…?」
「あぁ、お前の力の源はこいつだろ」
紫のメダルを奪われた鴻上は再びタトバコンボに変身し、笑いながら話し始めた
「勿論紫のメダルは途轍もない力だ。だが始まりの3枚がある限り、私にご先祖様と同等の力がある事に変わりはない」
「…だったらぶっ壊せばいいんだろ、この紫の力で」
俺は紫のメダル3枚を自分の体内へと投げ入れた。っ、何だこの力は…どんどん力が湧き上がってくるのを感じる
映司はこんな大きい力を人間のまま制御してたのか…今更ながら感心する
「おい、アンコ!何やってんだ!」
「今すぐにメダルを抜け!アンクも暴走するぞ!」
伊達と後藤の心配する声を聞き流し、俺は気にせず鴻上を睨み付ける
「これは…実に素晴らしい!ただそんな事をして火野くんの想いはどうなる?君が暴走してしまえば火野くんは酷く自分を恨むだろう」
「ガメル…お前に出来るなら俺にも…」
俺は1枚セルメダルを取り出した。たちまち俺の額にメダルスロットが出現する
「アンク、何する気だ!やめろ!!」
俺はセルメダルを自分へと投げ入れた。次第に俺の身体からヤミーが生まれ始める。幻想の中での最強の鳥類、フェニックスヤミーが生まれた
「鴻上をやれ」
俺の命令にヤミーは頷き、鴻上へと向かって行った。ヤミーと鴻上の激しい戦闘が続く中で伊達が怒鳴る
「おい、アンコ!何でヤミーなんか作った!」
「お前らの体力は既に限界だろ。完全武装2人で倒しきれねぇなら、奴の力で破壊する方が断然いい」
図星なのか伊達と後藤は黙り込んだ。俺はこいつらの不安要素を取り除くために言葉を続けた
「それにアイツは他の人間を攻撃する事はしねぇ。今の俺はそんな事望んじゃいねぇからな。仮に攻撃したら俺がセルメダルに戻すまでだ」
「…分かった、アンクを信じる」
「確かに俺達はもう限界だ。アンコ、後は頼む」
そう言われた俺はヤミーの元へ超スピードで向かい、2対1で鴻上との戦闘を再開した
「全く…面倒なヤミーを生んでくれたものだね」
「お前を倒すためだ!映司、力を貸せ!!」
俺とフェニックスヤミーは同時に紫の力を纏った火炎弾を叩き込んだ。その衝撃で鴻上のオーズドライバーに亀裂が入る
「そんな…まさか、狙いは最初から…!」
「あぁ、そもそも変身出来なくすりゃいいだけだ!」
鴻上はメダジャリバーで斬撃を繰り出す。ヤミーに攻撃が当たるも、切断部分はすぐに再生された
「私の覚悟と、長きに渡る欲望の邪魔をするな!!」
鴻上の力がどんどん増大していくのが分かった。次で決めなきゃまずい事になる、そう感じた俺はヤミーに向かって叫んだ
「お前は鴻上を押さえてろ!」
フェニックスヤミーは翼を拡げ、鴻上を包み込んだ
「寄せ!離れろ!!」
「これで終わりだ!!」
俺は高く飛び上がり、脚の爪を鴻上に向けて急降下して行った。まるで映司のプロミネンスドロップの様に
「はああぁぁぁ…!セイヤー!!!」
俺の攻撃は鴻上に直撃し、ヤミーごと吹き飛ばした。同時に鴻上のオーズドライバーは2つに割れ、落ちゆく始まりの3枚を俺はこの手に掴んだ
俺のコアメダルは10枚揃ったものの、身体に特別変化はない。恐らく映司が俺に命を与えたからだろう
「馬鹿な…この私が、負けた…なぜだ…」
「お前とは背負ってるモンが違うんだよ」
俺の言葉に鴻上は黙り込む。演技じゃねぇ鴻上のこんな姿は初めて見たが、心の底からスカっとする
「辞めろ、そこまででいい」
そんな鴻上にヤミーは攻撃を仕掛けようとしたが、俺の言葉にヤミーは動きを止めると、自らセルメダルに戻った
伊達が遠くに離れていた比奈の奴等を連れてくると、後藤と信吾が鴻上に近付き告げた
「鴻上ファウンデーション会長、鴻上光生。逮捕」
「会長、取り敢えず後でゆっくり話を聞かせて貰う」
後藤と信吾が鴻上を連行し始めるや、鴻上が叫んだ
「私がやった事の重大さは認めるよ。ただし、アンクくんと少しだけ話す時間をくれたまえ!」
「映司を殺したお前と、話す事はない」
俺は鴻上を背に財団へと向かった。しかし鴻上の次の発言によりその足は止まる事となる
「後藤くんの話が確かなら、行って、もう一度会いたくはないかね?…映司くんに」
「…鴻上、お前ふざけるのも大概にしろ。次映司の事言ったらただじゃ…」
鴻上に向けた怒りの言葉に後藤が口を挟んだ
「いや、アンク。これに関しては事実だ。俺は別の世界でこっちの火野とは全く違う火野に会った」
「そうとも!私がDr.真木の作ったコアメダルから生み出した人造コアメダルはエネルギーの暴走で後藤くんを別世界へと誘ったのだよ!」
別世界?何の事だ。こいつらは何を言ってやがる
「つまり何が言いたい」
「君のエタニティメダルは火野くんとアンクくんの欲望の結晶だ!それを使えば別世界に飛べるはず、そしてその世界で火野くんにまた会えるというわけだよ」
「馬鹿か。映司は俺に命を与えて死んだ。別世界の映司に会ったところで意味がねぇんだよ」
そう言い捨て後藤、信吾、鴻上を残し、俺達は再び王の部屋に戻った。この奥の王の棺に映司が眠っている
「アンコ、事件も一件落着だ。明日にでも火野を送ってやろう。火野の墓も用意してやらないとな」
墓と言っても今の状況じゃ簡単には用意できねぇ。ただ遺骨を埋めて目印を立てる程度だろうが、それでも映司をあのままにしておくよりはずっといい
「目印はパンツでいいだろ。墓にパンツぶら下げてる奴なんて他の人間に居るわけねぇからな」
「ふふ、確かにそうだね。映司くんらしいし」
「きっと映司くんもアンクちゃんに『明日のパンツ置いといてくれてありがとう〜』って言ってるわよ」
比奈の奴と知世子の奴は笑顔でそう言った。此奴らも乗り越えてんだ、俺も乗り越えなきゃな
そして次の日俺達は映司の火葬を済ませ、予定通り墓を建てた。映司の好きなパンツを掲げて
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