小説 オーズ Parallel Ankh 18
復活のコアメダルの続きを(勝手に)描いた2次創作です。あくまで続編であることをご理解下さい
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俺は湊ミハル。1週間前のある事件をきっかけに、これから仮面ライダーアクアとして皆の明日を守る事を誓ったばかりだ
俺は一度40年前に飛び、ある仮面ライダーと出逢った。そして今その仮面ライダーの運命を変えるため、再び40年前へと戻っている最中でもある
虚無の中でアクアへと変身した俺は、2011年へと急いだ。このコアメダルがあれば、きっとオーズの明日を守ることが出来る、そう信じて
しばらく虚無の中を突き進んでいると、光が見えた。奥を覗き込むとオーズと白い宇宙飛行士みたいな仮面ライダーが見える
俺が光へと飛び込み、2人の前に着陸する。オーズは俺を見て驚いていた
「ミハルくん!どうして?」
「これを渡したくて…」
俺はオーズの掌にスーパータトバの3枚のメダルを置いた
「これは…?」
「きっと、役に立つはずだよ…」
そう、いつか必ずそのコアメダルがオーズの運命を変えてくれるはずだ
「ありがとう!」
オーズがお礼を言う中で、俺は噂でしか聞いたことの無かった伝説の7人ライダーが戦っている所へと共闘しに走った
猫の怪物に狙いを定め戦闘を始める。オーズだけじゃない。伝説の7人ライダーも、あの白い宇宙飛行士だってそうだ。皆誰かの明日を守るために戦っている
俺もこの敵を自分の持てる限りの力で倒す!
「はあぁぁあ!アクアボルテックス!!」
俺は両脚に水の力を流し込み、回転の力を利用して猫の怪物に強い蹴りの一撃を入れた。刹那、猫の怪物は大量のセルメダルとなって爆散した
「こいつ、セルメダルで出来ていたのか…」
そして伝説の7人ライダーも敵を撃破して行き、その数分後、上空で飛行物体が爆発する様が見えた
オーズが勝ったんだ。あのコアメダル、オーズの役に立てたかな…しばらくすると、赤い姿のオーズと、パラシュートを付けた白い宇宙飛行士が帰って来た
俺はこれから未来に戻らなければいけない。未来では俺が皆の明日を守る。俺はオーズに改めて誓った
「皆の明日を任せてよ…!」
「あぁ!」
だから次こそ絶対に未来で会うために、絶対に無茶だけはしないで欲しい、死なないで。俺はそうオーズに心の中で呟いた
そんな中、白い宇宙飛行士がオーズに握手を求めた。だけどそれは握手ではなく、仮面ライダーとしての、友達の印だった。仮面ライダーって、いいな
虚無に目を向けると、その大きさはかなり小さくなっていた。もっとオーズと一緒に居たかったけど、無理そう…ちょっと、残念だな
「オーズ、俺もう行かないと…本当にありがとう、オーズのおかげで色々な大切な事を学べたよ」
「ううん、俺は何も。あ、このコアメダル…返した方がいいよね。本当に凄い力でびっくりしたよ、ありがとう」
オーズはスーパータトバのコアメダルを返そうとしたが、俺は首を振って拒んだ
「それはオーズが持ってて。いつか必ず、またオーズの役に立つ時が来るから」
「…うん、分かった。ミハルくん、また必ず、未来で会おう。その時はまた、アンクも一緒に」
オーズが俺の目を見て握手を求めた
「絶対、約束だからね」
俺はさっきも見た友達の印をオーズと交わし、そのまま虚無の中へと飛び込んだ。アンクと一緒に、かぁ…オーズはきっと分かってたんだろうなぁ
でもアンクとの約束通り、あのコアメダルはオーズの元に残った。次はアンク、君がオーズの運命を自分の手で救う番だ!
湊が虚無に消えて数時間後、奴は無事に戻って来た
「ただいま、ちゃんとあのコアメダル渡して来たよ、オーズに。それに、早速使って敵を倒して世界を救ってた。やっぱり凄いよ、オーズは」
これで映司の運命が変わるといいが、妙なのは湊が時間移動して過去を変えたのに、俺達や周りの環境に変化を感じない事だ。こういうものなのか?
「あ、こっちのドライバーに入れたコアメダル。色が黒くなってない…やっぱり鴻上さんの思惑通り、時間移動には何回か耐えられるっぽいね」
確かにサソリ・カニ・エビのコアメダルは何ら変化なく見える。これで俺も無事に2021年に飛ぶ事が出来そうだ
「なぁ、映司の奴、何か言ってたか?」
「未来で絶対会おうってさ、アンクも一緒にって」
あいつ、やっぱり気付いてやがったか。ただその約束が果たされるのはもう少し後だ。いや、2021年だから前ではあるが
「っは、どの口が言ってんだかな」
「アンク、俺今日はたくさん戦って疲れたから、もう寝るよ…アンクも出発は明日にしたら?今日はもう夜遅いし。良かったらうち泊まって行ってよ」
こっちの世界に初めて来た時は、夜20時に渡って来たっけな…が、今回は湊の言う通り明日に見送る事にしよう
向こうに着いたら万全の状態で映司を探し、守るためだ。とは言っても、俺のコアメダルがこの調子じゃ、万全もクソもない、か…
時間を戻った時に失われた俺のコアメダルのエネルギー。こいつらが元に戻ってかつ、エタニティメダルにエネルギーが充填されないと元の世界には帰れない
どうすればエネルギーが充填できる…?アイツら、元気でやってるといいが。別れたのはたった10日程前なのに、もう随分と昔の様な気がする
そんな思い出に耽りながら俺は湊の後ろを歩き、奴の家に到着するや、湊の家のソファに寝転がり、深い眠りに落ちていった…
場面変わって、湊ミハルが再び40年後へと帰っていった丁度その頃…
「財団Xは、滅んじゃいない…レム・カンナギ、俺はいつか、アンタをも超える…」
散らばるセルメダルを1枚、また1枚と拾い上げ、男は独り言を続ける
「アンタは時間を超越する力を欲し、野望虚しく散った…だが俺にも野望はある。世界を超越する力と、不老不死だ…」
男を一言で表すなら『ファンキー』だろう
「俺にはもうどの並行世界がいいか、大体の目星が付いている…何年掛かってでもいい、俺は必ず俺の欲望を、果たしてみせる!ひゃーっはっはっは!!」
男の名は最上魁星。つい先日までカンナギの元で研究をしていた、鬼ファンキーな財団Xの科学者だった
かくして仮面ライダーオーズこと火野映司はこの先、様々な人物との出会いを果たし、手を繋いでいく事となる
ある時は旅先の砂漠の国で、ある部族の一存を賭けた戦闘で部族の代表として戦った。国のため、部族のため、ある女性とそのお兄さんのため
またある時は全ての仮面ライダー、全てのスーパー戦隊と共に強大な敵、大ショッカーと大ザンギャックに立ち向かい、多くのヒーローと手を繋いだ
ある時は友の助けを聞き、ある女性のピンチに駆けつけ、最後にはその手に多くの人間の希望を掴んだ
そして時は2018年、火野映司と様々な仮面ライダー達、そして最上魁星が交差する事となる
急に全身に鈍い激痛が走った。何だ、この痛みは…目を開けても、前が全く見えない…いや、見えないんじゃない…モノクロで、ぼやけて、霞んでいる
音は濁り、澱んでいる。何かに触っていて、何かに触られている気がするが、温度や触感が全く伝わって来ない…
「…んグ、ぉ…エ"ば…レが…」
目の前に居るのは人間か?だが何を言っているか聞こえな、っ…まただ、また鈍い痛みが…俺を襲って……
「んっ、ぐあぁあ!ううっ…うっ、ああぁぁあ!!」
俺は貰ったはずだ…五感も、喜怒哀楽も、命も…全部、映司に…一瞬意識を失った俺が再び目を開けた時、俺は…
自分の身を空中に投げ出していた
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