小説 オーズ Parallel Ankh 5
復活のコアメダルの続きを(勝手に)描いた2次創作です。あくまで続編であることをご理解下さい
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欲望!それは世界を変える!
欲望!!それは生きるエネルギー!!
欲望!!!それは私が最も重要とするもの!!!
私はこの10年間、私の欲望のままに行動した!
私の欲望。それは…コアメダルの精製だ!!
コアメダル。それは欲望の結晶にして、私のご先祖様が世界を支配する為にマスターガラ達、錬金術師に作らせた素晴らしい代物だよ!
だがコアメダルは欲望の怪物グリードを生み出した!しかし私のご先祖様は自らの欲望を暴走させ、グリード共々長い封印についた!
800年の時が過ぎ、一度復活したグリード達は、彼らの生命の源とも言えるコアメダルの力を使って戦うオーズによって消滅させられた!ただ1体を除いてね
残念な事にオーズの最後の戦いで全てのコアメダルはDr.真木と共に虚無へと消えてしまったんだよ…泣
だがコアメダルは世界に、何より私にとって必要だ!
そこで私は考えた。純粋な欲望のパワーのみを抽出し、グリードが生まれないよう新たな人造コアメダルを作ろうと!
そして私は遂に人造コアメダルの精製に成功した!
しかも私はそれと合わせてご先祖様を復活させることにも成功した!我ながら本当に素晴らしい!!
ああ、すまない。話を飛ばし過ぎてしまったね。事の経緯を一から詳しく説明しよう
話は半年前の2020年初夏に遡る。Dr.真木が虚無に消えて、もうすぐ10年が経とうとしていた頃の話だ
私は日々人造コアメダルの研究と、その精製を試みていた
だが10年掛かっている実験にも関わらず、失敗の一途を辿るばかり。これでは私の欲望はいつまで経っても満たされない
私の欲望を叶えるにはやはり彼の力が必要だった
火野映司くん。かつて仮面ライダーオーズとしてグリードと戦い、今や我が財団の協力研究員として世界中を旅している青年だ
かつて火野くんに味方したグリードが1体いた。800年前も私のご先祖様に味方していた、鳥のグリード:アンク
アンクくんはDr.真木との戦いの末、死んでしまったのだ。そして火野くんの元にはアンクくんの意思が入っていたメダルだけが残った。2つに割れた状態で
火野くんの最大にして1番の欲望はアンクくんのコアメダルを元に戻し、再びアンクくんと再開すること!
私も彼も欲望の先にあるのはコアメダル!!
互いの欲望はどちらかの欲望が満たされし時に、満たされるだろう!!
しかし!私の欲望が最重要なのは当然だ!!
今まで私の欲望を真っ先に叶えるために一人で研究に没頭してきたが、かつてとある社員に言った言葉を思い出した
『欲望をプライドで抑え込んでいる。
非常につまらない』
私は火野くんに電話を掛けた
「お久しぶりです、鴻上さん。どうかしましたか?」
「私は決めたよ。火野くん、君の欲望が必要だ。私の研究に協力してくれたまえ」
「ええっと…今もデータ送ったりしてますし、十分協力していると思いますけど…」
「いや、必要なのは君自身の欲望だ。とりあえず1週間後に財団へ来たまえ」
「相変わらず急ですね…わかりました。ではまた」
これでようやく私の欲望が果たされる。マスターガラもDr.真木も成し得なかったグリードを生まないコアメダルの精製。私は楽しみで仕方ないよ
「鴻上さん、お待たせしました」
1週間後、旅から帰った火野くんが財団に現れた
「火野くん!私の欲望のために快く引き受けてくれてありがとう!!」
「いえ、俺が鴻上さんの役に立てるならいいんです。旅費も出して貰ってますしね」
そう言ってくれると思ったよ、火野くん!やはり私には君の力が必要だ!!
「素晴らしい!それで話は逸れるが…アンクくんを元に戻す方法はどうかね、ヒントは見つかったかい?」
「…いえ、中々難しいですね」
「…しかし!私の今回の欲望が達成されれば、アンクくん復活の手掛かりになるかも知れない!」
火野くん、急に目の色を変えたね。やはりアンクくんのために君はどこまでも本気になれるようだ
「本当ですか?というか鴻上さんの欲望って一体…」
「私の欲望!それは人造コアメダルの精製だよ!」
「え、でもそれだとまたグリードが…」
「そうとも。だから私は純粋に欲望のパワーのみを抽出し、グリードを誕生させない事を第一に考え続けてきた」
私の言葉に不安を感じているようだ。まぁそれも仕方ないね
「だが実験は失敗続き。そこで実験を成功させるために何が必要か考えた結果が…」
「俺の欲望のデータ…という訳ですか…」
「その通り!!」
「なるほど…だからコアメダルが精製出来れば、アンクも…って事ですね…」
「そうとも!君の欲望が満たされるヒントになるかもしれないだろう?」
火野くん、君の答えは1つに決まっている
「分かりました、手伝います。ただし…」
「ただし?…何かね?」
「コアメダルで何する気なのか、先に教えて下さい」
なるほど、火野くんも中々鋭いね。君のそういう所は伊達くんそっくりだよ
「まずはオーズの君に是非とも使って貰いたい。そしていずれはバースシステムへの応用も考えている」
「グリードが生まれないようにするのに、ですか?」
「念には念を入れておくだけだよ。これで答えになったかね?」
曇り顔が晴れない火野くんが静かに告げる
「…はい、大丈夫です」
「では、着いてきたまえ」
私と火野くんは王の部屋へと向かった。彼も随分懐かしそうな表情を浮かべている
「火野くんは楽に寝転がっていてくれたまえ。君への要求は1つ!君自身の欲望を思い浮かべ続けて欲しい」
「俺の…欲望…」
指定した場所に寝転がった火野くんはゆっくりと目を瞑った
物の数十秒で横の大きな容器の中に1枚のセルメダルが落ちた。その音で火野くんが肩を震わせる
「今後も金属音が聞こえるだろうが、気にすることない。君の欲望に集中したまえ」
私が告げると火野くんはゆっくりと頷き、強く瞼を閉じた
次第にセルメダルが1枚、また1枚と精製される。物の数分で容器は満タンとなり、セルメダルで溢れ返る
「火野くん!素晴らしいよ!もっと欲しがりたまえ!貪欲に!」
セルメダルの勢いは留まる事を知らない。いつの間にか地面はセルメダルで埋まっていた
「そろそろ頃合だろう。目を開けたまえ」
「っ、これは…」
「全て君自身の欲望だよ。10分程度でこれほどまでのセルメダルが精製されるとはね…当時の伊達くんが見たらどんな顔をするか」
やはり君の欲望は余りに巨大過ぎる。アンクくんとの再会も、世界中の全ての人と手を繋ぐことも、非常に難しいことだ
「このセルメダル1枚1枚に、君の欲望が込められている。これらを使ってコアメダルの精製を試みよう。結果はまた報告するよ」
「鴻上さん…」
「分かっているとも。君の願いを叶えるためにも、アンクくんのためにも必ず成功させよう」
「はい、では失礼します」
そう告げた火野くんは王の部屋を後にし、再び旅に出た
「これだけのデータがあれば必ず作れる!今すぐ精製を始めよう!!」
そして1週間後、私の欲望は達成された
「これは…何とも、素晴らしい!!!私の初めて作ったコアメダル…!!しかも色が統一されていないのにも関わらず、コンボ同等のエネルギーを感じる!本当に素晴らしいよ!!!!!」
私はまだ知らなかった。有毒生物が金色に映し出されたそのメダルは後に人造グリード:ゴーダを生み出すことを
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