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恋の行き先。〈終〉

新幹線の最終便で敦史は帰った。
ずっと一緒に居たい。
そんな気持ちが私に芽生えて戸惑っていた。

この先どうなろうとも、一緒に居たい。
自分が傷つきそうにない適度な距離など、本当はないのだ。

敦史が全身で受け止めてくれている今、ためらうのはずるい気がした。
敦史の側で暮らそう。

今頃、新幹線はどの辺りだろう。
私はLINEで伝えた。
『敦史、私はあなたの側に行きます。一緒に暮らそう。』

荷物をまとめよう。
ここを空き家にして。

LINEが返って来た。
『くれは、もう離れないでいよう。
俺はくれはからの今のLINEで心が落ちついたよ。』


翌る日、荷物を整理していたとき、相沢が来た。
敦史の元に行くと伝えると、荷作りを手伝うよと言った。
ダンボールを玄関先に集めたり、力仕事をしてくれた。
大切なあれも持って行こう。

週末、有給を取った敦史に迎えに来てもらい、車に荷物を積んだ。
それから高速道路をひたすら走った。
目に映る景色よりも、私は敦史の横顔を見ていた。

旅に出るために、買ったキャンピングカー。
これからは二人は同じ場所から旅に出発するのだ。

ーーー

私「敦史!」
「ベランダの小鳥の餌場に小鳥が来てるよ!」

敦史「ほんとだ。こんな都会でも早朝だからかな、来るんだね。さ、静かにしないと逃げちゃうよ。
こっちへおいで。」
と、言って敦史自慢のクイーンベッドに私を連れて行った。

リサイクルショップで敦史と出会った時のことを思い出していた。
敦史の胸に抱かれながら、会えてよかったと私は彼に囁いた。



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