ピエロとふわふわのいぬ
その日はいつにも増して午前~正午にかけて眠気が酷く、昼間はほぼずっと寝ていた。(過眠!)
三回目のようやくの起床!そろそろ起きないとな、と目を開けてぼんやりとした身体と頭を頑張って起こす。それでも薬の副作用もあるせいか中々上手く目覚めることが出来ず、とろとろと瞼が勝手に落ちてしまう。そんな時ふと、窓辺に心地の良い光が染み込んでくるのをぼんやりと見ていた。
その瞬間、私の目の前にピエロが現れた。本当に驚いた。息が止まった。そいつは道化師らしい態度と笑顔で「もうすぐ死ぬチャンスが来るよ!」と軽やかに言って、あっという間に消滅した。
その時の感触は今でもじんわり覚えていて、気味が悪い。鳥肌が立って暫く動けなかった。勿論空想なのだということは理解している。おそらく幻覚の一種だろう。一瞬本当に天からのお迎えが来たのかと思ったが、何もピエロにしなくても良かったんじゃないかなあと思う。ピエロは苦手。ふわふわのいぬとかにしてほしかった。
本当にごく稀に、こういうちょっとした"何か"をみる事がある。半年に一回あるかないかくらい。
私はもしかしたら"死"に魅せられているのかもしれない。死んだってしあわせになるとは限らないのにね。でも今の私にはそれが、一番魅力的なものに見える時があります。
仮眠しすぎると幻覚を視ることがあるらしいので、みなさんもお気をつけください。次に視るなら、ふわふわのいぬを視たいです。