11月16日の #気になる新刊 1 久禮亮太/フラヌール書店店主 2021年10月20日 15:28 新刊ではないけれど、訳者つながりで『30年目の待ち合わせ』を再発見できたのはなかなかよかったのではないでしょうか。実は長く何度も積み直せる良い小説なのではないかと思います。 『味の台湾』は良いですね。焦桐は現代詩の人で、詩集『完全強壮レシピ』は権力や性欲などある種グロテスクな人間性を料理本仕立てで「食べ尽くす」というものでした。単なる台湾食文化紀行では終わらなさそうです。 10代の子たちのための書棚、いわゆるYA小説だけでなく、書店ジャンルを丸ごと内包した棚があるといいと思うんです。 『かぼちゃの馬車事件』は、不動産投資の棚にちょっと挿してあるといいかもしれませんね。 加速主義的な世界に対する「遅れ」の思想……というテーマは面白そうです。 『世界天才紀行』『世界しあわせ紀行』は「自由で場所に縛られないワーク/ライフ・スタイル」といった文脈で積み直せそう。 人間を様々な動物たちと同じ生物進化の中で捉える視点と、人間の進化によって自然のレジリエンスの閾値を超えてしまった「人新世」の視点。セットで考えていく。 「時間をめぐる思索」「論理学を知る」「さまざまなルーツを持つ日本語話者たち」など、棚文脈として生かしたいテーマがいろいろ出てきます。 ブルーバックスは隠れ名著たくさん掘り出せます。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #気になる新刊 1