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Day412 「私がそれをやることを、この私が赦してあげるよ!」

人生の岐路に立って行くべきか、それとも退くべきかを迷っているとき、誰かに背中を押してもらった経験が私にもあります。

あまり記憶は定かではありませんが、幼いころは、両親がその役割を担ってくれたと思います。

小学生のとき、嫌がる私を無理やりオーケストラに引っ張り込んだ先生もいました。結果として、ここから私は音楽にのめり込んでいきました。

雑誌の売り上げが落ちたことを理由に編集長を辞めたいと申し出たときは、直属の上司が、高級な料理屋でもう少し続けるよう延々と説得してくれました。

その時々の彼女やいまのカミさんからも、節目ふしめでビビりそうな心に活を入れてもらった気がします^^

この、誰かから「背中を押される」とき、私たちはいったい何をしてもらっているのでしょうか?

たとえば、先のオーケストラの件でいえば、私の中に演奏をしたい気持ちがこれっぽっちもなければ、どれだけ強引に誘われてもきっぱりと断るか、いったん形だけ入部してすぐに逃げるかしていたと思います。

実際には、4年生から6年生までの3年間、一日も休まずに朝晩の練習に通い、その後も、もうすぐ還暦を迎える現在まで音楽とともに暮らしています。

つまり、あのときの私の中には確実に「やってみたい」気持ちがあったということです。

ただ、当時は、それが情熱といえるほど強いとは思えませんでした。むしろ、線香花火のように弱々しくて、そよ風が吹くだけで消えてしまうほどか細い炎に見えていたのでしょう。

いまなら、それが「本来の自分から発せられたメッセージ」だとわかります。私が「魂の叫び」と呼ぶ、しあわせな役割に導いてくれるゴーサインに違いありません。

おもしろいことに、わずか10歳にして私の心には、その貴重な声をかき消す「ノイズ」があったのです。

たぶん「自分に楽器の演奏などできるはずがない!」「早朝に登校して、放課後も練習していたら遊べなくなる!」「そもそも、この先生はめちゃくちゃ恐そうだ!」「軟弱そうな音楽より、スポーツをやるほうが女子にもてるのでは?」などの恐れや不安を抱いていたのだと思います。

そこにさっそうと現れて「やってみればいいじゃん!」のひと言で負のイリュージョンを消してくれるのが「背中を押す人」ではないでしょうか。

いま思うと、私はそのたびに、

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