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お片付け|ずっと手元においていた10年モノのコートを手放した話

収納に関する資格をとったり、家をすっきりさせたりすることを楽しんでいる私ですが……それでも、ずっと手放せないものがありました。

それが、若い頃頑張って購入した高級コート3枚。

それを、2021年初めの見直しで、ついに手放しました。

■アパレル時代に購入した高級コート

もう購入してから10年はたつコート3着。当時、食費をがっつり削って生活するような状況だったにも関わらず、背伸びして購入したものでした。価格は1着10万円くらい。何十万もする高級ブランドのコートというわけではないのですが、20代だった当時の私にとって、かなり高級なコートでした。

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最初の2~3年はたくさん着ましたが、子どもが生まれてからすっかり着なくなり……でも、クローゼットを見直すたびに

「これはいつか着る」「これはぜったいまた着る」「結婚式に呼ばれたらきっとドレスの上に着る」「子どもが手を離れたら着るはず」

と、手放す対象にすらなっていませんでした。そこには常に「いつか」という不確定要素が含まれているにも関わらず、です。

ときには、今日は着てみようかな?と羽織ってみたこともありました。お呼ばれや観劇などのお出かけシーンで「今日はこのコートにしようかな」と手を伸ばしたことも。でも、それを羽織ってみるとなんだかしっくりこなくて、「今回はいつものでいいかな。また次回」といってクローゼットに戻していたのでした。

■「手放さない」ことが「当たり前」になっていた

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年齢を重ねると、1年て本当にあっという間ですよね。本当は3年くらいたっているのに、感覚的には半年前くらいの感じだと思っていることも……

あるとき、「このコートたちを着なくなって何年だろう」と思ったとき、5年近く着ていないことに気づきました。でも、では手放そうと思って取り出して、まじまじと眺め……

「このツイードは海外の有名な生地を使っていて、なかなかお目にかかれないんだよなぁ……これのおかげで、ツイードを見る目が養われたんだよね。こっちのコートは、お金持ちのAちゃんに褒められたことがあったなぁ。このコートは悩んで悩んで、一生着ようと思って買ったんだった。高かったし、いくつになっても着れるんだから、また今度」

そうして、やっぱり戻してしまうのです。そうして着ないまま、1年、2年が経ちました。その間にも何度かクローゼットを見直す機会があったものの、そのたびに「これは、またいつか着る」といって、見直しの対象にも入れていなかったのです。

着なくなって7年近くたち……、もう、「今日はこれにしてみようかな?」とこのコートたちを羽織ってみることもなくなっていました。

■自分のなかの「執着」に気がついた

昨年からクローゼットを再度見直し、服の総量をどんどん減らしていました。すると、やはり「着ないコートたち」の存在が気になるようになってきたのです。

自分では分かっていました。もう羽織ることはないということが。

20代そこそこで「一生もの」と思ったところで、10年たつと趣味や流行も変化します。「いつか着る」と思っていたのに。結婚式や観劇などのシーンでも、合わせる服や小物……というか、自分自身とコートがしっくりこないのです。


このコートはかなりよい生地を使っていて、デザインも高級感があります。だからこそ、当時はこのコートに見合うよう、化粧やヘアスタイルもばっちり決めて、ヒールの高い靴を履き颯爽とふるまっていました。でも、今はヒールの高い靴自体を履きませんし、メイクや髪もナチュラル。私がコートに似合わなくなってきたことは、私が一番分かっていたのです。

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さらに、当時「それを買うために一所懸命理由を探していた」自分がいたことにも気づきました。

売り上げがよくなくて悩みや不安があったこと。素敵なコートに身をつつむ先輩方のようになりたいと思ったこと。それを身につけることで、私もやっと一員になれたような気がしていたこと。

当時本当にお金がなかったにも関わらず、それを買うために食事を抜いていたこと。そこまでして手に入れたものだということ。

でも、よくよく見てみると、「本当は自分の趣味ではなかった」ことに気づいたのです。


もちろん、当時このコートを着たおかげで、質の良いものに対する意識や使用感など、かけがえのない経験も得ることができました。決して無駄遣いだと思っていないからこそ、手放すのに躊躇していたところもあるんでしょう。私にとってそのコートを手放すことは、過去の自分の頑張りを否定するような感覚があったのかもしれません。

しかし職を離れ、自分がしっくりくる服を着るようになって……それが合わなくなってきた・合わせることができなくなっていたんです。


このブランドはファンも多く、コートなら何年前のモデルでも欲しいという人もいっぱいいます。そういう「本当に大切にしてくれる人」に渡したほうがよいというところに、数年がかりでようやくたどり着きました。

■コートがなくなったクローゼット

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大きなコート3着がなくなったクローゼットは、風通しがかなりよくなりました。奥の方にこもって出番もなく、私が過去の「頑張っていた自分」を守るために、ずっとそこに置き続けていたコートたち。

ものにはストーリーがのっています。そのときの気持ちや、それと共に過ごした時間、ときには自分自身の人生を反映するようなストーリーです。ものを手放すとき、過去の自分を振り返ったり、心の奥にある気持ちと向き合ったりするケースは少なくありません。それによって、手放すタイミングを見失うことも。

でもそんなときは、こう声をかけてあげて欲しいです。

「今までありがとう。もう大丈夫だよ」と。

着ないと分かっていたコートたちを手放して、どこか肩が軽くなったような自分もいます。また、手放したことで自分が本当に気に入っているコート、着やすいと思っているコートがずいぶん分かりやすくなりました。これなら次にお買い物するときに、失敗も少なくてすみそうです。


しかししかし。これを機にコート以外にも「執着アイテム」を見直して大幅に服やバッグを減らした結果、45Lの袋5つぶんくらいになってびっくりしました。まだこんなに隠してた?私??

やっぱりクローゼットの片づけはかなり時間がかかります。でもやるとすごくすっきりするし、楽しいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>



※今回の記事は、写真を撮る余裕がなかったため、すべてイメージ画像です!


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倉田エリ|出版コンシェルジュ
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