Kindle出版|「質が低い」電子書籍ってどんなもの……?
おそろしいタイトルの記事を、クリックしていただいてありがとうございます(笑)
今回は、ちょっと辛口ですが、どうしてもお伝えしておきたい「質の低い電子書籍」について。kindleは個人で好き勝手に出版できますし、今はAIでどんどん量産することだってできます。
しかし、大切なのは「品質」。
Amazonが「質の良い読書体験」の提供をあげている以上、そこに沿うコンテンツを提供することが求められます。
今回は、最低限押さえておくべき「ルール」についてのお話しです……。
■質の低い電子書籍とは…
本を書こう! と思うとき、多くの方は
「私のことを知ってほしい!」
「私の経験を読んでほしい!」
と、ベクトルが「私」に向きがちです。もちろん、「私の経験が誰かのためになる」ことはあります。しかし、大切な視点を見落としてはいけません。
まず、ひとつ大きなポイントをお伝えしておきたいと思います。
「ベクトルが自分に向いている本は、独りよがりになりがち」
あなたが「私のことを知ってほしい」と思えば思うほど、読者さまにとっては、「関係のない話」になってしまうのです。なぜなら、
「読者さまが一番興味があるのは、読者さま自身」
だから。
そんな、ヒドイ…
と思わないでくださいね。
でもこれは、文章を書く上での鉄則でもあります。
「え? そうかな? 私、エッセイストの〇〇さんの日常話、好きだけど!?」
そう思われる方もいるかもしれません。しかし、プロのエッセイストはちょっとした日常の話でも、「読者さまに読まれること」を意識して文章を書いています。日常を通して、自分の美学や哲学を語っているのです。
本は「読者さまに向けて書くもの」。
あなたのことを書いちゃダメ!ということじゃないですよ。
読者さまにとって、どんな価値を提供しているのか?
どんな感情を届けているのか?
それを意識することが大切です。
・あなたの経験を通して、何を読者さまに伝えたいのか?
・事実の列挙だけではなく、そこからどんな学びを得たのか?
・あなたという視点を通して、どんな世界が広がったのか?
そうした視点を、ぜひ意識してください。
■最低限のルールは守りましょう
電子書籍、とりわけkindle本は、自分一人でやろうと思えば、0円でもすぐに出版できてしまいます。つまり、なんでもありです。紙の書籍は、企画を相談する担当さんや編集、校正……さまざまな人の目を通って出版に至ります。しかし、Kindleは必ずしもそうした工程を経ているわけではありません。
なかには、権利関係が怪しい本、薬機法に抵触していそうな本、内容的に事実かどうか怪しいものも、正直あります。
たとえば、NG項目をいくつか挙げてみると
【著作権の侵害】
文章のコピペ、画像の無断使用はKindleに限らず、すべての媒体で絶対NGです。きちんと許可を取るか、商用利用可の画像を使いましょう。たまにインスタや公式HPから、「画像お借りしました」といって勝手に使ってしまう人がいますが、これはNGです。
【商標権の侵害】
商標登録されている言葉を許可なく使用するのはやめましょう。損害賠償となる場合もあります。たとえば「断捨離®」はやましたひでこさんの商標登録であり、「電子出版物の提供」を禁止しています。過去にはブログやYouTube等での使用でトラブルになったケースもあるので注意しましょう。
【健康に関する表記】
「予防できる」「効果がある」「病気が治る」といった表現は薬機法に触れてしまいます。健康に関する表記は特に気をつけなければいけません。過去にはこうした記事を載せていたサイトがまるごと閉鎖になったケースもあるくらい、深刻なことです。
などなど……(もちろん、ほかにもあります)
出版した後で問題が発覚するのは困りますね。できれば、信頼できる出版サポートをつけたり、数人に読んでもらったりしたほうが安心です。
そして、自分の権利を守ることも大切。私の受講生さまは、出版をきっかけにしてご自身の肩書やサービスを商標登録することもあります。
実は、電子書籍プロデューサーを名乗っている人でも基本的な薬機法や文法を把握していない、グレーな状態の方も……けっこういらっしゃるのが事実。そういったレベルの方でも、FB広告などを使って高額講座を開催していることがあります。
しかし、そんな本を出したところで実績になるどころか、信頼を損ねることになりかねません。あんまり外では言えないですが、どうしても、どうしてもこれだけはお伝えしておきたかった。
Webでのライティング経験がない方、企業案件を経験したことのない方、すべて独学でやってきた方、基礎知識があるかどうか、わからない方もいらっしゃいます。ちゃんと見極めてください。
私のところにも、別のスクールで出版されたあと「本当にこれでよかったのでしょうか」と問い合わせが入ることがありますが、毎回、心が痛くなります。
■実はグレーなKindle本……
kindleストアは、「本を販売するプラットフォーム」です。つまり、お客様は「読者さま」。守るのも、大切にするのも、読者さま。著者を稼がせるためのツールではないことをお忘れなく。
Amazonは、Kindle本出版にあたり、さまざまなルールを決めています。
そして、下記にもあるように、そのルールを違反している書籍は、削除されるおそれもあるんです。
実際に、ルール違反でアカウントが削除されると、復帰は絶望的です。それまで積み上げた書籍や印税も入ってこなくなります。ですので、グレーなやり方で印税だけ稼いでやろう! という認識だけは改めてください。
よくあるグレーなラインをいくつかご紹介します。
【フォーマットの問題】
電子書籍の見た目やレイアウトに関しても、結構厳しいルールがあります。つまり、読者様にとって「読みにくい!」と感じる本はNGというわけです。
実は、Kindleって「読まれたページ数でロイヤリティが入る」という仕組みがあるため、無駄に余白をつくってページ数を稼ぐ、というやり方が推奨された時期もありました。しかし、Kindleストアが定める「致命的な問題」に「本文テキストの余白が画面幅の 4 分の 1 以上を占める」というものがあり、無駄な余白や不必要な改行は、悪質なコンテンツと判断されるおそれがあるんです。
読みやすさのために改行をたくさん取りたい方は、余白が画面幅の4分の1以上にならない範囲でバランスを取ってくださいね。
【Kindleに適していないコンテンツ】
実は、Kindle側が「Kindle で読むには適していないコンテンツ」を明確に指摘しています。例えば、「日記帳」「パズル」「塗り絵」など。
つまり、直接書き込んだり、色を塗ったりする目的の書籍は、電子には向いていませんよ~。というのをKindle側がちゃんと伝えているわけです。
ですので、こうした書籍を出したいなら、ぜひペーパーバック版をつくってください。印刷できるペーパーバックならクリアできる問題です。
ちなみに、私の受講生さまも書き込み式ワークブックなどを出されていますが、もちろんペーパーバック版も準備しています。Kindle側としては、「読者さまにダウンロードさせ、プリントアウトさせる手間を与えるな!」ということなんでしょう。ならば、こちらで準備してあげるべきですよね。
■愛されるkindle本を作るために
読者さまに愛される書籍にしたいなら、まずはそのプラットフォームである「Amazonのkindleストア」を尊重しないといけませんね。
Amazonにとっても嬉しい、著者さんにとっても嬉しい、読者さまにとっても嬉しい、三方よしの電子書籍こそ「ずっと愛され続けるロングセラー本」の秘訣です。
これから電子書籍に挑戦したい! 今やっているけれどもっと質を高めたい! という方は、ぜひこれらの点を意識して書籍づくりを楽しんでみてください。
電子書籍のやり方マニュアルは、こちらに全部無料で書きました↓
また、こんな「Kindle本裏話」や「ビジネスを伸ばす方法」などをこっそり暴露しまくっているメルマガがあります。こちらも、ご興味ある方はぜひ。体調がいいときは週3、だいたい週1くらいで配信しています(笑)