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女性の働き方・健康・暮らし「みんなで一緒に考える3DAYS」③-5/26(日)「今すぐ取り組める防災!~女性と子ども、家族の守り方~」

こんにちは!暮らすroom’sです。

「女性の働き方・健康・暮らし」をテーマにしたイベント「みんなで一緒に考える3DAYS」(5月24日(金)〜26日(日))から、今回は5月26日(日)に行われた「今すぐ取り組める防災!~女性と子ども、家族の守り方~」を、レポート③としてご紹介します!
  
なお、このイベントは、DAO型(※1)の考えを取り入れ、公正な意思決定を行うための投票制度、紹介制度、店番制度、公平な報酬分配など、透明性の高い運営を行うなど、新しい取り組みにもチャレンジしています。
 

今すぐ取り組める防災!〜女性と子ども・家族の守り方〜


2024年1月1日の能登半島地震の体験から、女性と子ども達のための「避難所チェックシート」を普及する活動をされている復興支援プロジェクトの宮崎由里香さんに「今すぐ取り組める防災!〜女性と子ども・家族の守り方〜」をテーマにお話いただきました。


「女性・子どもを守るための避難所チェックシート」作成の経緯

宮崎さんは、石川県の羽咋市へ帰郷していた時に被災し、そこから「自分にも何かできることがないか」を考え、フェムテックエキスパート田村恵美さん監修の元「女性と子どもを守るための避難所チェックシート」を作成しました。

女性と子どもを守るための避難所チェックシート

能登半島地震の被害

宮崎さんの地元、羽咋市は地盤沈下や液状化の被害が多く、ご実家も地盤が緩み、土砂崩れして傾いたそうです。
特にひどかった先端の地域は、家が崩れたり、壁が倒壊したりといった被害が多かったため、輪島市や珠洲市では今現在でも、避難所に住んでいる方がたくさんいらっしゃいます。

実際に避難所に行って見えてきた課題

実際に避難所にいってみて、「生理用品が避難所に十分な量が届かない。」と言う課題だけでなく、「男性スタッフに手渡されるのも恥ずかしい」「生理用品はもらえたけど、たった1枚だけ」など、単純に「知らない」「配慮が足りない」などのすれ違いが見えたそう。

また、ニュースでもよく見る「女性や子どもの性被害」「暴力被害」にあっても、大変な状況だからと「言えない」「我慢する」ことで、ストレスを抱えてしまうという課題も残念ながらあるようです。

こういった被害は災害から直接起こるものではないので、災害時の「二次被害」と言われています。
宮崎さん自身も被災するまで、このような「二次被害」があるとは知らなかったそう。
かといって何も対策されてないわけではなく、内閣府男女共同参画局や各地方自治体ごとに避難所のチェックシートが作成されており、現場で使われています。

チェックシートで女性が過ごしやすい避難所にしたい

ところが、実際に被災してみて改めて既存のチェックシートを見てみると「女性の視点が十分に反映されていない」ことがわかったとのこと。
「パーテーションを作る」や「生理用品の配布」は書いているものの、具体的な「パーテーションの高さ」や「生理用品の数」などが書かれていませんでした。

男性からすると「差別」したいのではなく、単純に「知識」や「経験」がないので「わからない」。
みんなが使いやすいチェックシートがあれば、女性が過ごしやすくなるのではないかと考え、フェムテックエキスパートの田村さんに監修いただいてチェックシートを作成しました。既存のチェックシートにプラスして、家庭での防災教育や、自治体での防災訓練に使用していただきたいとのことです。

女性・子どもを守るための避難所チェックシートの特徴

  • 女性の視点を活かした避難所作りの方法

  • 男女問わず、誰もが設置しやすい避難所作りの方法

  • 「性被害」「暴力被害」を防止

  • 「妊婦さん」や「思春期の女の子」などニーズごとの注意点

といった、今までにない新たな目線を加えたチェックシートになっています。


チェックシートの内容例

  • プライバシー保護のための避難所設計:更衣室、授乳室、物干し部屋など女性のみのエリアを作る。物理的に男性から見えないような高さにする。

  • 男女一緒に運営する体制:運営スタッフには男性のみではなく、女性にも入ってもらい、女性ならではの目線で配慮できるようにしておく。

  • 性別や年齢に限らず1人で行動しない、させない:若い女性だけでなく、小さな女の子、男の子、若い男性も気も気をつける。「知り合いの男性」ではなく、「信頼できる男性」がいれば良いが、女性のみであれば3人以上でいる。特に母子家庭や、父親が仕事でいない時はスタッフのフォローが必要不可欠です。

その他注意点:

  • 思春期の女の子:遠慮して大人には言い出しにくいこともあるので、先回りして聞く。

  • 父子家庭の子ども:父親では気付けない部分をフォロー。

  • DVから逃げてきている女性や子ども:身内だからといって、個人情報を安易に知らせない。市役所にも申請をしておくことが非常に重要です。


今すぐに取り組める防災対策

  • 正しい知識、危機意識を常に持つ:性別、年齢、時間に関わらず、誰でも被害に遭う可能性がある。身近な人から被害に遭うこともあり、逆に周りに相談しにくいケースも。

  • 防災バックに生理用品や体ふきシートを入れておく:身体を冷やさないためのタオルや、介護用に入れておく。

  • 自治体の活動に普段から参加して、女性の意見を取り入れてもらいやすい環境にしておく:運営するのは男性の場合が多く、いざという時に女性の意見を聞いてもらえないことや、その余裕がない場合も。普段から、女性が意見を取り入れてもらいやすい環境を整えておく。

参考)内閣府男女共同参画局 避難所チェックシート


宮崎さんからメッセージ

このチェックシートは女性や子どもなど、弱い立場の方々が安心して過ごせる避難所になるための指針として作成しました。これはあくまで指針であり、効果を発揮するにはひとりひとりの行動や意識が大事です。
女性に限らず何かある前に、みんなでチェックシートを見て、どんな所に気をつける必要があるのか「事前に」確認してほしいと思います。

被災して大切な人を亡くし、家を失ってつらい状況で、安心したくて避難所に来ているはずなのに、安心できない。避難所が誰もが安心して過ごせ、新しい生活への第一歩を踏み出せる助けになることを願っています。

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※1、DAO…「分散型自立組織」と訳され、株式会社などの従来型組織とは異なり、組織の代表者が存在せず、インターネットを介して誰でも自由に参加、平等な立場で運営される。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティングより)

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