「温室にて」その5
社長の処刑
園部は、この日用意した最後のカブト虫を取り出し、麻子の前に押しやった。今までのカブト虫より一回り大きな個体だ。
「やっと出てきたのね。どこに隠れてたの、社長。仲間が踏み潰されるのを見てたんでしょう? どんな気持ちだった?」
麻子は“社長”が逃げる方にパンプスを踏み降ろし、行く手をさえぎる。“社長”は仕方なく方向を変えて歩き出す。その先に再びパンプスが降りてくる。
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