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わたしとミシン。

はじめてのミシン

ふりかえると、いつも細々としたものづくりが近くにありました。
小学校低学年、 今でも思い出すのは
夏休みに祖母とつくった 手縫いのりかちゃん人形のスカート。
祖母は、きっとお裁縫が得意ではなかったのです。
はじめてつくったちいさなスカートは、
入り口だったか出口だったかがなくて、お人形にはかせられることができませんでした。

わたしの創作意欲はずっとつづいていて、
繊維関係に勤めていた父の持ち帰る仕事や素材はいつも興味津々でした。

小学生の頃、当時流行っていた「ご近所物語」というアニメの影響をうけて、
お誕生日のプレゼントに半分おもちゃのような「ミシン」を買ってもらいました。
そのミシンは、「手縫い」レべルにしか仕上がらない
正に「おもちゃ」でしたが、 
当時のわたしは家にあるハギレを使ってちいさなポーチやお人形の服など
創作的に様々なものを作っていました。

実用性のあるものづくりをしたくて

中学生になってからは、「ふでばこ」や「巾着袋」など、
実用性のあるものを作りたくて
まためぐってきたお誕生日に家庭用のミシンを買ってもらいました。
それは、一般的にはおかあさんが使うようなよくあるミシンで、
手慣れてくれば洋服なども作れるようなミシンでした。
ジグザグに縫ったり、
ボタンホールをあけたり。

そのミシンは、そこから短大を卒業する頃まで
よく働いてくれていました。
学校の課題に取り組む時も、
誰かの為に服を縫う時も、
いつもそのミシンが傍にありました。


つくるものが仕事になった時のミシン

わたしが短大に入学した時、学校で使うミシンがちょうど新調されたタイミングでした。
そのミシンは、「家庭用」の中でもパワーがあり、単純な直線縫いしかできない「職業用」のミシン。
ペダルを踏む度に惚れ惚れするような心地でした。
更に、恩師から教わっていた
「ミシンの調子」のお約束を守って使うその道具は、
とにかく自分の手のような感覚になる、正に相棒だったのです。

卒業と同時に、どうしてもそのミシンが欲しくて、
在学中にアルバイトで貯めていた貯金をはたいて購入しました。
20万円。
大きなお金でしたが、 当時、ミシンワークが仕事になっていたわたしは
晴れ晴れした気持ちで自宅にミシンを迎えました。



そのミシン。
直線縫いしかできないシンプルなミシンですが、
あれから16年、今もわたしの右腕です。
手縫いの良さももちろんありますが、
わたしはミシンワークが大好きです。

昨年、初めて「調子」が悪くなってメンテナンスをしてもらったミシンですが、
きっとこれからもまだまだ一緒に歩んでいくミシンです。




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