おむつのリサイクルってできるの?

こんにちは。住環境アドバイザーのMadayoです。

昭和の時代、わたしたちはゴミを「捨てる」ことがあたりまえでした。ところが、平成、令和を経て現在の消費生活では使い捨てを前提とする行動が徐々に罪悪ととらえられ、ゴミを出す際には、リサイクルできるかを確かめるというワンクッションを置くことが自然な流れになってきたと思います。そのような中で、最近「紙おむつのリサイクル」について学ぶ機会がありましたので、その報告をしたいと思います。

おむつと言えば私たちの時代(幼少のころですが)は布おむつがあたりまえで、洗濯をして再利用しておりました。ところがいつのまにか製紙メーカーが徐々にマーケットを増やし、現在は、おむつと言えば赤ちゃん用も大人用もほぼ100%紙主体となっています。循環型だったものが、便利という名のもとに使い捨てることが日常になりました。

その紙おむつを構成する素材は、パルプ(約50%)・高分子吸水材(20%)プラスチック素材(30%)の大きく3種で構成されています。そしてここに排せつ物が混じります。それをリサイクルします。

紙おむつをリサイクルする方法です。まず専用の回収袋で紙おむつだけを集めることから始まります。回収した紙おむつは、処理施設で使用後(排せつ物も一緒)の状態でそのまま粉砕され、洗浄工程、分離工程、脱臭殺菌(オゾン処理)工程と進み、最終的にはパルプと高分子吸水材、そしてプラスチック等に完全に分離されます。その後パルプと高分子吸水材はおむつに再利用され、プラスチック素材はおむつ以外の材料として(別に)再利用されます。リサイクル後の行方は異なりながらも全工程を通して再利用されるようなシステムを作っていることがこのリサイクルシステムのポイントという印象でした。

リサイクル後のパルプについて品質・衛生性の検証をした結果は、一般細菌の残存量が検出限界以下にまで殺菌できているという説明でした。なお、洗浄工程では、重量比で約50倍の水を使うため、洗浄水のリサイクルないしは節水型の洗浄システムづくりが必要と感じました。当該メーカーもその必要性は十分に認識されております。

リサイクルされたおむつの現物を見ましたが、市販の紙おむつと変わらない白さです。但し、まだコスト的に市販のそれには太刀打ちできないので、介護施設で試験的に利用している状況です。紙おむつを全数リサイクル品として回収できればコストも下がります。そこには私たち消費者と行政及びメーカーの協力が欠かせません。

異物が混じるとシステムが機能しないので紙おむつに異物が混入しないように廃棄することが使用者(消費者)に求められます。他のごみと一緒に出すことは異物を除去する工程が増えることになりコストアップにつながります。行政は異物を混入させない適切な回収のシステムを作り上げること、メーカーはコスト的に遜色のないリサイクルシステムを作り上げること及びリサイクルを前提とした製品設計が必要です。それぞれの役割がきちんと守られてこそのシステムです。

環境及び資源保護のためには、リサイクルおむつが当たり前に販売されている時代が早く訪れることを切に願った勉強会でした。

参考情報
https://note.com/unicharm_reff/

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