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Bluetoothワイヤレスイヤホンはどうですか?

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                    2021/03/05 第612号
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【 Bluetoothワイヤレスイヤホンはどうですか? 】

こんにちは。コミュニケーションアドバイザーのこてつです。

最近、スマートフォンなどで音楽を聞いたり、動画を視聴したり、ハンズフリーで電話ができたりするワイヤレスイヤホンが人気です。AppleのAirPodsやSONYのMF-1000XM3などが有名ですね。ワイヤレスということは無線でスマートフォンなどと通信をしています。この中で使われている無線方式が「Bluetooth」です。これら製品パッケージには必ず「Bluetooth」のロゴが付いており、Bluetooth SIG (Bluetooth Special Interest Group)から認証を受けています。Bluetooth SIGとはBluetooth無線技術推進の中心となっている業界団体のことです。

前置きはこの辺にして、家電量販店でワイヤレスイヤホンを買おうとしても、何を基準に選べば良いか分からないことはありませんか。デザイン、装着感、連続再生時間、充電時間などは好みで決めればよいのですが、製品仕様は間違わずに確認しないと、期待する機能や性能がでないということになります。この製品仕様で重要なのが「Bluetooth」の仕様なのです。「Bluetooth」の仕様としてのポイントは、次の3点です。
  1.バージョン:Bluetooth5.0など
  2.対応プロファイル:A2DP,AVRCPなど
  3.対応コーデック:SBC,AACなど

では具体的に見ていきましょう。まずバージョンです。1999年に「Bluetooth 1.0」が制定され、その後、何度か大きなバージョンアップを繰り返し、2016年にメジャー・バージョンアップして「Bluetooth 5.0」となり、現在の最新版は2020年1月に発表された「Bluetooth 5.2」となります。5.0では、4.0に対して通信速度が2倍、通信範囲が4倍、通信容量が8倍になりました。そして、5.1で方向探知機能が追加、5.2でLE Audio規格が追加されています。2021年2月時点での主な製品の対応バージョンは5.0(一部5.1)であり、5.2対応は数年後になりそうですので、基本的に5.0対応であれば問題ありません。

次に対応プロファイルです。このプロファイルでBluetooth 通信時の動作や送受信するデータの内容が定義されています。つまり、このプロファイルを見れば、どのような機能に対応しているかが分かります。ワイヤレスイヤホンが対応している主なプロファイルは次の4つです。
1. A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)
・モノラルやステレオの音声データを高品質にストリーミング配信するためのプロファイルです。
2. AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)
・ワイヤレスイヤホンなどからスマートフォンなどをリモコン操作するためのプロファイルです。
3. HFP(Hands-free Profile)
・ハンズフリー通話(通信の発信・着信機能を含む)を行うためのプロファイルです。
4. HSP(Headset Profile)
・モノラル音声の受信だけではなく、マイクで双方向通信するためのプロファイルです。
2021年2月時点において、マイク機能付きワイヤレスイヤホンのほとんどはこの4つのプロファイルに対応していますが、意味を分かって確認できれば安心です。

最後に対応コーデックです。コーデックとはBluetoothで音声を無線伝送する際に使用する「音声圧縮変換方式」のことです。 先ほど説明したプロファイルA2DPに対応している主なコーデックはSBC、AAC、aptX、LDAC の4種類になります。
1. SBC (Sub Band Codec)
・A2DP対応の製品には必須となるコーデックです。原則全てのBluetoothワイヤレスイヤホンで再生可能です。
2. AAC (Advanced Audio Coding)
・主にiPhone(iOS)に対応している高音質・低遅延コーデックです。iPhoneユーザの方はこちらに対応しているかどうかを必ず確認してください。
3.aptX(アプトエックス)
・主にAndroidや音楽プレイヤーに使われている高音質・低遅延コーデックです。さらに高音質に対応(ハイレゾ対応)したものがaptX HDになります。aptXは開発元のクアルコムがライセンスを供与している関係で全ての機器が対応している訳ではありませんが、Androidだけでなく、Windows10やMacOSでも対応しています。
4.LDAC(エルダック)
・SONYが新規開発した既存技術に比べ最大約3倍の情報量を伝送できるコーデックです。LDACに対応した機器間ではハイレゾ音源に対応します。以前はSONYのスマートフォンのみが対応していましたが、2021年2月時点では各社Android端末でも対応が進んでいます。
コーデックについては、お持ちのスマートフォンとワイヤレスイヤホンの両方が対応していないとSBC以外のコーデックは使えません。もし、片方しか対応していない場合は、全ての機器で対応しているSBCでの接続になります。時々、製品パッケージにSBCの記述がない製品も見受けられますが、対応プロファイルがA2DPである限り、SBCは必須のコーデックですから、単に記載されてないだけだと思われます。その点はあまり気にしないで良いでしょう。

長くなりましたが、ワイヤレスイヤホンにおけるBluetooth仕様の見方について紹介させていただきました。この仕様を知っておくことで、間違えて買ってしまったと後悔することが減ると幸いです。
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