宇宙の旅

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                    2020/02/14 第557号
        ☆★☆ TIPS通信 ☆★☆
     ▼消費生活アドバイザーの知恵が満載▼
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【宇宙の旅】

こんにちは。旅のアドバイザーのさくらです。

今回は宇宙に目を向けて「はやぶさ2」の旅のお話です。
ニュースや映画で話題になった「はやぶさ」は、途中機器のトラブルで迷子になりましたが、5年掛かって2010年に奇跡的に帰還し、小惑星イトカワから岩石のかけらを持ち帰りました。イトカワは、主な材料が岩石質と推定される「S型小惑星」に分類されていました。火星や地球などの岩石惑星の原材料が「S型小惑星」ではないかとの仮説が、はやぶさの「サンプルリターン」によって証明されたのです。

2014年12月に打ち上げられた「はやぶさ2」は、2018年6月に小惑星リュウグウに到着しました。リュウグウは地球と火星の間にある大きさ約900mの小惑星で、表面の岩石の中に有機物(炭素を含む化合物)や水を多く含むと考えられている「C型小惑星」に分類されています。炭素と水は、我々人類を含む地球上の生物の最も基本的な要素であり、地球生命の原材料とも言えます。

なぜ、小惑星が注目されるのか。それは太陽系初期の情報を多く保っていると考えられているからです。地球はどのようにできたのか。海のもとである水はどこから来たのか。生命はどのように誕生し、進化してきたか。太陽系ができた過程を調べれば、これらの謎が解けるのではないかというのです。
地球には、大気があり、生命が存在し、雨が降って浸食が進み、誕生当時の情報を探すのは難しい状況です。それに対し小惑星は、昔の状態を保ったままのタイムカプセルのようなものなのです。

2016年9月30日、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」が、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸し、内部構造や含まれる物質を調べたのも、彗星がいつ、どうやって形成されたのか、太陽系がいかにして形成されたのかを説く手掛かりになると考えられているからです。

生命はどのように誕生したのか。地球以外にも生命はいるのか。仮説が立てられ、観測によって今後少しずつ証明されていくことでしょう。
観測データから、系外惑星(太陽以外の恒星の周りを公転している惑星)が多く存在することが分かってきました。生命が存在する可能性のある地球型の岩石惑星や、地球の数倍程度の質量をもつ「スーパーアース」など、太陽系には存在しないタイプの惑星が宇宙には広く存在する事も明らかになっています。

観測機器やデータ処理技術の飛躍的向上は、謎を解き明かすとともに、新たな謎を生み出すのかもしれません。「はやぶさ2」が持ち帰るサンプルから何が分かるか、楽しみです。
冬は星空がきれいに見える季節。星空を見上げて、しばし宇宙の旅に思いを馳せるのはいかかでしょうか?

「はやぶさ2」はリュウグウへの2度のタッチダウンに成功し、サンプルを持って2019年11月13日にリュウグウを出発しました。今年の11月か12月に地球に帰還する予定です。
JAXAでは、「はやぶさ2」プロジェクトメンバーが全国各地に赴き、プロジェクトで行っていることを話し、質問を受けるトークライブを2020年1月から9月にかけて予定しています。スケジュールは下記で確認できます。お子さんと足を運ばれてはいかがですか。
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20200108_talklive/

また、「はやぶさ2」と地上局との通信状況がリアルタイムで確認できるサイト「はや2NOW」も公開中です。各地上局の通信状態欄に動く波形が表れている時が、その地上局と「はやぶさ2」が交信を行っていることを示しています。
http://haya2now.jp/


<参考サイト>
■JAXA はやぶさ2プロジェクト
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/
=============================================
■ 発行:くらしの情報発信研究会
■ Copyright (C)2020 くらしの情報発信研究会
■ 掲載記事の無断転載を禁じます。
■ 投稿バックナンバー https://note.com/kurashinojoho/
=============================================

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?