自然に還るプラスチック開発が熱い!
こんにちは。消費生活のウソ・ホントを考えるアドバイザーのゆうりんです。
昨年の7月からレジ袋が有料化され、マイバッグ持参で買い物に行くのが習慣化した方も多いと思います。環境にいいことをしているはずなのですが、使い方次第ではマイバッグの方が環境に負荷をかけてしまいます。
そもそも作るのにレジ袋より多くのエネルギーが必要です。それを回収するだけ使わないと「なにしていることやら!」になります。環境にとって良い悪いは単純ではないとつくづく思います。私はいろいろなお店で布製バッグをもらったり、自らも用途に合わせて買い足したりしたので、マイバッグの数がかなり増えてしまいました。とにかく今あるものを使い倒すつもりです。
レジ袋はプラスチックゴミの象徴のようになっていますが、量としてはプラゴミ全体の2%ほどでしかありません。誰もが身の回りを見渡すと感じるでしょうが、家の中はプラスチックだらけです。日常のさまざまなプラスチックも見直す必要があります。
今年6月、プラスチックゴミの削減やリサイクルを強化する、いわゆる「プラスチック新法」が成立しました。コンビニやスーパーなどで無料配布しているプラスチック製の使い捨てフォークやスプーンは有料化、もしくは紙製や木製のものへ変更するよう求められます。
欧州では、カトラリーやストロー、マドラーなど10品目の使い捨てプラスチック製品の流通そのものを禁止しています。さらにプラスチックゴミを減らすための具体的な施策や目標も定めています。それに比べると日本の対策は見劣りします。
国の取り組みに比べると、企業の動きは活発です。エコビジネスはまさにトレンド。環境負荷の少ない製品作りに力を入れる企業も増えています。中でも従来のプラスチックに代わる新しい材料の開発は、大手だけでなく、ベンチャーも加わって盛んです。
新しいプラスチックには、生物由来の資源を原料にした「バイオマスプラスチック」と、使用後は最終的に水と二酸化炭素に分解される「生分解性プラスチック」があります。ちなみに「生分解性プラスチック」は、手術に用いる、俗に言う「溶ける糸」としても使われてきました。新しい素材といっても、すでに30年以上の歴史があります。そしてバイオマスと生分解の両方を兼ね備えているのが「生分解性バイオマスプラスチック」です。
兵庫県のベンチャー企業、GSアライアンスは、さらに環境にやさしいプラスチックを開発しました。石油原材料ゼロの「生分解性バイオマスプラスチック」です。「バイオマスなのに石油?」と思ってしまいますが、バイオマスといっても添加剤は石油由来のものを使っていることが多いのです。その添加剤も天然繊維に代えて、石油ゼロを実現しました。歯ブラシやペットボトル、カトラリー、ネイルチップなど、すでに販売もしています。
また問題になっている海のプラゴミを減らす「海洋性分解性プラスチック」でも質の高いものが開発されています。この分野のトップランナー企業の一つがカネカです。海洋性分解の認証は厳しく「水温30度の海水で6か月以内に90%以上分解されること」とされています。カネカの「Green Planet」は、この基準をクリアしました。原料も100%植物由来です。現在コンビニのストローやスプーンなどにも採用されています。
今後は、新しいプラスチックでできた商品を消費者が目にする機会も増えてくるでしょう。何でできているのかを意識しながら商品を選択することが、今よりもさらに重要になっていきそうです。
私も遅ればせながら少しずつ脱プラ生活を始めています。毎日使う台所スポンジも、植物由来のものに代えました。間伐材を原料にした食物繊維を発泡させて作られています。使ってみると水切れもよくてなかなかいい感じです。まずは短いサイクルで買い替える消耗品を、環境負荷の少ないものへと、少しずつシフトしていきたいと思っています。