8050問題から9060問題に

こんにちは。メンタルアドバイザーのにんじんです。

以前このメルマガで「8050問題」について書かせて頂きました。
今はコロナの問題が大きくクローズアップされ、「8050問題」や「ひきこもり」という問題が横に置かれているような気がします。新聞の片隅の事件を見るにつけ、もう一度考えてみる必要があるのではと思いとりあげました。

「ひきこもり」とは、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」と言われています。2015年の統計で54万人と推計される「若年ひきこもり」は不登校やニートなどが若い世代の問題としての就学、就労にむけの対策が行われてきました。

しかし、「ひきこもり」は若い世代だけの問題ではなく中高年でも増加しています。2019年内閣府統計では40~64歳の「ひきこもり中高年者」の数が推計約61.3万人という調査結果が公表されています。中高年者の長期のひきこもりのきっかけは、職場などでの人間関係、パワハラなどを原因にしたケースなど様々です。又、親の介護のための離職やコロナ禍での離職による社会的孤立も気になるところです。

「ひきこもり」や社会的孤立が長期間になると、本人の不安・焦燥感が高まり、家族の緊張感も増します。或は親も子も現状を変えようとする気持ちが薄れ時間だけが流れていくケースもあります。親に依存するシングルの同居中高年の場合、将来、親亡き後の経済的困窮と社会からの孤立は大きな問題をはらんでいます。 

親の年金が唯一の収入源の場合、病気や介護などで困窮していくケースも増えていきます。こうした問題を「80歳代の親と50歳代の子」の問題を意味する「8050(はちまるごーまる)問題」と呼ばれて懸念されてきましたが、次第に時が進み90歳代の親と60歳代の子の問題になってきました。「9060問題」です。90歳代になる親にとって体力的にも子供の世話はもう限界で自身が介護を必要とするようになってきます。

高齢の親が未だ動けるうちに、残される高齢の子の今後の生活の道筋を作っておくことも必要になるかもしれません。行政などへの早めの相談で解決の道が開けることもあります。

また、ひきこもりから抜け出したいと考える方もいると思います。社会から孤立した本人や家族に、いろいろな取り組みがなされ以前より社会で支える動きも強まっています。自治体のひきこもり支援センター、あるいは各地の確かな支援団体や家族会など、適切な支援へと繋がっていくことが解決の道かもしれません。以下の厚労省のひきこもり支援事業のサイトも参考になるかと思います。
ひきこもりVOICE STATION|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

最後に、解決の道を模索している家族に対する消費者トラブルがあります。「引き出し屋」といわれる業者です。高額な料金を家族からとり、ひきこもりの人を部屋から強引に連れ出し軟禁する事件などが起きています。この様な解決では、根本的な解決はできず大きな心の傷も残ります。消費者庁のサイトを参考にして気を付けてください。

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