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消える大森林と蒸発散の話

こんにちは。自然大好きアドバイザーE&H(エコ&ヘルス)です。

9月の中旬というのに昼間の暑さは、夏そのものです。日本の素晴らしい四季はどうなるのでしょう! 今夏も昨年に勝る猛暑となりました。直近では、過去に経験のない台風が発生し、風の被害は免れましたが日本の各地に集中豪雨の被害が発生しています。温暖化による気候変動が年々激しくなっているように感じます。

先日、8月21日のNHKBSスペシャル「DigitalEye」で「消える大森林」と題する番組があり、地球の環境の変化に新たな報告があり、興味を持ちましたので紹介したいと思います。

森林火災が多発し、大森林が消えている情報がありました。カナダでは、近年大規模な森林火災が続いている。2023年の焼失面積は、1850万ha。これは日本の国土の約半分。昨年8月15万人が暮らしているカナダのケロウナで大規模な森林火災が発生。急速に広がった火災は、4日目には、街を飲み込んだ。住宅への被害も発生。火災は、1か月にわたって燃え続け、13500haの森を焼失させた。

昨年は、干ばつに悩まされた今年も例年にない乾燥と強風でカナダでは、こうした環境変化が原因で火災が大規模化している。最近は、衛星データを活用して火災の監視システムの導入や火災による焼失面積など把握する技術が進んでいる。2014年、アメリカで地球規模の森林を可視化する画期的なシステムが誕生した。ワシントンにある世界資源研究所で作られたのが「グローバル・フォレスト・ウォッチ」世界から集められた衛星データや統計を元に全世界の森林の状況を可視化するシステム。地球上の森林の減少も一目で分かる。減少した理由も見ることができる。

森林焼失の3割が火災による焼失。この20年間で最大の森林焼失国がロシア。2021年の夏の大規模火災では、1880万haが焼失(日本の国土の半分)。ロシア・オイミャコン村では、30℃を超える夏に火災が発生し、冬になって雪が降り春の雪解けの時期に大地から原因不明の煙が発生。これはゾンビ火災といい火災跡の1km以内の地中に潜った火種が雪解けから50日以内に再び地上に戻り、森林火災を引き起こす可能性がある。
シベリアの北方林地帯でサーモカルストという現象が発生している。これは、森林が火災で焼失すると永久凍土が表面に出て、太陽の熱を吸収して永久凍土が溶けて地表は沈んで陥没する。森林火災起源のサーモカルストは増えていく。森がなくなり永久凍土の温度が上がると更に溶けて、陥没は深く大きくなり水が溜まり沼となる。木々の生育が困難となる。サーモカルストは一度発生すると拡大が止まらず数百年・数千年と拡大し続ける。この現象は世界各地の針葉樹林帯でも確認されている。

赤道付近でも熱帯雨林の減少が起きていた。特にボルネオ島で数十年にわたり伐採が続き森林減少が起きている。40年で森林は半減し島の景色は一変した。アブラヤシ農園へと姿を変えた。このまま森林破壊が進み熱帯雨林が減少すれば雨が減っていく。熱帯雨林の減少が雨の減少を引き起こす。そこで関係するのが「蒸発散」。蒸発散により大気に戻った水分は循環していく。森林がないと水分は、土壌から流出し大気には戻れない。これがボルネオ島で雨が減少した理由だという。森林さえあれば強い対流が生まれ周囲から空気が引き込まれ、この対流が雨をもたらすと考えられる。大規模な森林火災による被害の拡大を抑えるために新しい取り組みが求められている。

かなり前から自然の樹木は、根から水分を吸い上げ、上部の葉で蒸発する際、気化熱を奪い大気を冷却し冷たい風を地表に流す。これが自然のクーラーだと教えられて、素晴らしいと感じていましたが、今回、更に知識の上積みができました。この新しい知識を得て、木や森林の働きを改めて再認識した感じです。自然の樹木や森の働きを世界のトップの指導者が認識して、新たな取り組みを進めて、素晴らしい地球を残してほしいと思いました。

                               以上
参考情報
2024年8月21日NHKBSスペシャル「DigitalEye」で放送された「消える大森林」と題する番組の情報

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