8050問題

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                    2019/07/12 第526号
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【 8050問題 】

こんにちは。メンタルアドバイザーのにんじんです。
今回は「8050問題」について書かせて頂きます。

最近、「ひきこもり」という言葉がしばしば聞かれます。
「ひきこもり」とは、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」と言われます。

2015年に15~39歳を対象に調査が行われ54万人と推計される「若年ひきこもり」は不登校やニートなどが若い世代の問題としての就学、就労にむけの対策が行われてきました。
しかし、内閣府から今年3月に40~64歳の「ひきこもり中高年者」の数が推計約61.3万人という調査結果が公表され「新しい社会的問題」として波紋が広がっています。
 
ひきこもりが長期化すると、元気だった親も高齢となり、経済的にも親に依存した生活の限界が見えてきます。収入が減少したり途絶えたり、あるいは病気や介護などで、一家が孤立し、困窮していくケースが顕在化し始めています。こうした問題を「80歳代の親と50歳代の子」の問題を意味する「8050(はちまるごーまる)問題」と呼ばれて懸念されています。

長期のひきこもりのきっかけは、職場などでの人間関係、パワハラなどを原因にしたケースなど様々です。ひきこもりが長期間になると、本人の不安・焦燥感が高まり、家族の緊張感も増します。更に、親に依存するシングルの同居中高年にとって、将来、親亡き後の経済的困窮と社会からの孤立は大きな不安を生みます。また「男は働いて一人前」とか「家の問題は家で解決するもの」と言った古い社会規範に縛られ、本人や家族が孤立していく方向に進みがちです。

ひきこもって、あっという間に30年、今更、社会にでて働けるだろうか?
親の年金で暮らしているけれど、親が死んだらと考えると不安。
高齢になり、年金生活の中でひきこもっている息子の世話はもう限界。
等など、本人も家族も不安の中にあります。

最近の様々な事件をきっかけに、「ひきこもり」や「8050問題」について深刻な問題だと再認識されたことは不幸中の幸いです。古い社会規範に縛られることなく、社会から孤立した本人や家族に、いろいろな取り組みが開かれること、社会で支える動きが強まっていくことを願います。

そして、行政のひきこもり支援センター、あるいは各地にある支援団体や家族会などへ、閉ざされたドアが開かれ、適切な支援と繋がっていくことが望まれます。

最後に、何とか解決の道をと模索している家族に、追い打ちをかけるような消費者トラブルがおきています。「引き出し屋」といわれる業者です。高額な料金を家族からとり、ひきこもりの人を部屋から強引に連れ出し軟禁する事件などです。この様な解決では、根本的な解決はできないと思います。

消費者庁は「ひきこもり支援を目的として掲げる民間事業の利用をめぐる消費者トラブルにご注意ください!」と呼び掛けています。
自治体のひきこもり支援センター、あるいは各地の確かな支援団体や家族会など、適切な支援へと繋がっていけるよう慎重な行動も必要です。=============================================
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