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カヤックにM&Aされちゃった社長の頭の中#01〜プロローグ:面白法人が、想像以上に”面白すぎる”件

簡単な自己紹介と、発信を始めたワケ

はじめまして。カヤックの倉重と申します。「ちいき資本主義事業部」に所属して、いわゆる地方創生、まちおこしに関する仕事をしています。

実は自分がカヤックに加わったのはつい最近で、しかも少し変わった”ルート”でのことでした。というのも、ついこの間までネイティブ株式会社という、やはり地方創生系を専門にするベンチャーを起業して、約7年その会社を経営した後に、会社ごとカヤックにM&Aで吸収合併されるという経緯だったからです。

面白法人カヤックという会社については、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

「つくる人を増やす」という経営理念をかかげて、文字通り”面白い”コンテンツを世に生み出すのを主眼に、デジタル・コンテンツや企業のブランディングのみならず、ゲームやメタバース、eスポーツなどの分野にも幅広く展開しています。また「面白いまち」もコンテンツの一つととらえて、鎌倉を拠点に全国のまちづくり事業にもかなり注力しているユニークな会社です。

自分は起業する前、ネットイヤーグループというデジタルマーケティング会社に15年ほど在籍していたので、その頃から時々企画提案の場で競ったりすることもあり、よく知ってました。また起業してからは移住促進事業などで協業したこともあったので、代表の柳澤さんだけでなく、社員の皆さん何人かとも数年前から面識がありました。

人生って本当に何が起こるか分かりません。ついこの間までこういう展開は想像もしませんでしたが、こうしてカヤックに加わることになった次第です。

自分にとってこの経験、そうとう”濃い”ものだったことは確かです。

今、日本でも起業する人はどんどん増えています。また地方創生やまちづくりを生業にしている人や会社、またそれを目指している人も少なくありません。

自分の拙い経験がどこまで役に立つかはともかく、色々と共感していただいたり、なにかのきっかけになることはあるかもしれない。だったらこの”経験”を割とストレートな気持を込めて発信するのも悪くないかも...ということになり、こうしてnoteで初めて発信することになりました。

もう少し詳しい経緯はこちらをご参照ください。

そこで手始めに、今こうして自分が新たにカヤックという会社に入って、純粋に一番強く感じていることから書いてみたいと思います。

それは「組織づくり」という観点の話です。

カヤックという”異形の会社”にびっくり!

前述のとおり、自分は小さいながらも会社を立ち上げ組織を作ろうとした身です。正直、頭の中ではまだ「あのときどうしたら良かったんだろう」「今だったらどういう決断をするだろう」などと思うことは少なくありません。

それも決して後悔の念や悲壮感が漂うようなものでもなく、純粋にこの「旅」の期間に起こった色んなことに思いを巡らせるのは、意外なほど楽しい作業です。

どうしてもそういう見方でカヤックという会社を見てしまうので、そのユニークさの刺激は、半端ない感じなんです。

「いやー、まじか!それほんとに?」
「どうやったら、そうなるの?」
「それで上手く行ってるの?」

…って思うことがめちゃくちゃある(笑)

もちろんカヤック自体もまだまだ進化の途上で、これが完成形ということではないと思います。それにしてもグループ全体で500人に届こうかという会社にしては、相当変わった会社、いやある意味”異形(いぎょう)”だなと思えるくらいなので、見ていて面白い。

一応「事業部長」なんだから面白がっていてはだめなのかもしれません。
いやいや、かえってそのほうがいいのか...。
とにかく刺激が半端ないことは事実です。

その一つが、まさにその「事業部長」というポジション。

実は、カヤックの事業部には、事業部長が「3人」いるんです。

会社全体で3人という意味ではありません。

一つの事業部に3人の事業部長がいるんです。

よくある「担当部長」的なものでもありません。

いわゆる「トロイカ体制」にしているんです。

もともとは、創業自体が3人で、今も貝畑さん、柳澤さん、久場さんの3代表の会社なので(KAYACという名前も代表のあだ名の頭文字です)、そこに端を発していると思うんですが、それだけですぐにそうするという話にはならないはずです。言うまでもなく、会社としてはそれだけコストが膨らむわけですから。

でも最初にそれを聞いた瞬間に、自分としては、思わず膝を打って合点し
「うーん、なるほど〜。そうかぁぁ、なるほどなぁぁぁぁ。」ってなりました。

もちろん自分自身はいきなり「事業部長」で一人だったら戸惑うし、メンバーだって相当不安だと思います。でもそれを解消するためというだけかというと、そういうわけではないんだなと、直感的に理解しました。

会社から孤独な決断を極力少なくする意義

よく「社長は孤独」だといいます。
自分が経験したレベルの起業でも、やっぱりそれは強く感じました。
でもそれは社長だけでなく、どの規模の組織のリーダーでも多かれ少なかれそういう感覚を持つはずです。

世の中の常識では「それに耐えられるからこそ、そのポジションにふさわしい」とか「その環境が人を育てる」などと思われている。それも一理あるんですが、でもカヤックではある意味「そんなものは百害あって一利なし」と判断しているんだなと思うわけです。

いや実際にそうかも、いやそうだな...そのほうがいい!と自分はすぐに思いました。

実際に自分の7年半を振り返ってもそうです。
一人で悩んでいた時間は、それを経てきた自負は多少はあるものの、会社の経営という側面からは「無駄な時間」でもあるんですよね…。

企業が保有するもっとも重要な資源は、「時間」なんです。
お金はある意味、他者の時間を”買う”ために必要なものだと考えられます。
仲間の人生の”時間”を含めて、トータルで集めた”時間”の中で”何かを成す”のが”事業”なんだと思います。

タイム・イズ・マネーではなく、マネー・イズ・タイムなんですよね。実は。

ということは、それを有効に活かす「決断」をするなかで一番大事なのは、「できるだけ早く」決めることなんです。

でもそれが一番難しい。やっぱり悩んじゃうんですよね...。多かれ少なかれ。

じゃあそれを少しでも減らすにはどうしたらいいのか。

やっぱり「三人よれば文殊の知恵」ではないですが、一人のリーダーに依存しない組織というのが一つの”解”になるわけです。

(この解釈はあくまで自分の捉え方で、会社の公式見解ではないのはご容赦ください。)

実際に今、ちいき資本主義事業部の事業部長は、もともとこの事業の立ち上げから関わっている中島みきさんと、なんとカヤックの管理本部長を兼任する柴田史郎さんと、自分の3人です。(兼任文化の話はまたそれはそれで面白すぎるので別で話します)

事業部を率いる立場としてフラットな3人で話す時間は、自分にとっては本当に刺激的で、何というか脳みそがブンブン振り回される感じ。
最初はちょっと戸惑いましたが、ようやく少し慣れてきました。

やはり、必要以上に検討時間をかけなくなる効果はある気がします。それに早いだけでなく、いい意味で考え方も見方にも違いがあるので、色んなことが立体的に見えてくる感覚もあります。何より精神衛生的には、圧倒的にいいですね。

もしこれが2人だと「対立」して出口が見えないこともあるかもしれませんが、3人だとそれも回避しやすいのかもなと想像します。

そんな環境を味わう中で一人で悩んでいた自分を振り返ると、少なからず「下手の考え休むに似たり」だったかもなぁと...。ちょっとだけ恥ずかしく振り返ったりもします。

長くなりました。今日のところは、カヤックの”異形”エピソードをひとつだけご紹介しましたが、そんな話を、ひとつづつお話できればと思います。

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ちなみに次の記事はこちらです。「部下の給料を決められない上司って...マジか?」と思ったお話です。宜しければぜひ。

ではでは。

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