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【living間】 スタッフインタビュー宇都さん

こちらのnoteでは、living間のご利用者様やコンシェアージュ(スタッフ)を紹介していきます!
インタビュー3人目は、コンシェアージュの宇都さんにお話をお伺いしました。

<はじめに、自己紹介をお願いします。学生時代の簡単な経歴を教えてください。>
宇都星奈です。
鹿児島生まれで、子どもの頃は言われたことをきちんとする、いわゆる”良い子”でした。習っていたピアノや中高の吹奏楽部の活動も頑張って続けていましたが得意とは言えず、、「自分といえばこれ!」というものがないのがコンプレックスでした。勉強も特別好きなわけではなかったけれど、やったら結果が出るし、親や先生が期待してくれるのが嬉しくて、勉強を頑張るようになりました。高校に入ってからは特に、良い大学に行って、いい企業に入って仕事をバリバリ頑張りたいと思うようになりました。周りも難関大学を目指す環境だったこともあり、私自身も勧められた東京大学を目指し、一年浪人した後、入学しました。
「意志が強いね」とよく言われますが、今思うと「頑張ろう」「目標を達成しよう」という気持ちはあるけど、その目標自体は自分で決めていたわけではなく、”なんとなく”をきちんとやっていただけだったように思います。

大学入学後、法学部に進んだので、周りの友達と同じく弁護士を目指していました。ゼミでは労働問題を扱っており、働く環境をどう良いものにしていくかに興味が出てきたんです。頑張りたい人が心地よく頑張れる環境をつくれたら良いなと思っていました。

でも、大学2年生の頃、耳の病気になったことをきっかけに精神的にも体調を崩してしまいました。思うように頑張れない日々が続き、全部が嫌になってしまいました。「期待に応えたい」と何でも引き受けてしまうことに原因があったと思います。これまでは目標を決めたら努力できるということが支えになっていたけれど、人生で初めて頑張りたいと思えない、頑張れない時期でした。

でもそれが、自分の生き方、選び方を問い直す重要なきっかけになったんですよね。言われた通りにしていれば大丈夫と、自分の人生を自分ごととして捉えられていなかったと初めて気づいたんです。

その後、少しずつ回復してき、「これからどうやって生きていこう…」と悩み始めました。「他人軸ではなく、自分の軸で選んでいきたい」と思ったとしても、すぐにやりたいことが出てくるわけではないので、一旦まっさらにして自分の道を考えてみたいと思っていたタイミングでした。そんな時、たまたまゼミの先輩がインターンをしている教育NPOカタリバのボランティアに誘ってくれたんです。大学生が高校に行ってキャリアの話をする活動でした。大学2年の冬から行き始め、最初は正直、教育にもボランティアにもあまり興味はなかったけれど、気づけばいつの間にか夢中になっていました。

<カタリバの出張授業のボランティアのどんなところに夢中になったのでしょうか。>
これまで私は、自分自身と向き合う時間をつくってきませんでした。でも、高校生と話していると、投げかけた問いが自分にも返ってくるんです。元々教育は”導く”とか”教える”というイメージでしたが、私は対等な関係で、それぞれの生き方や感じていることを共有する時間が好きなんだと気づきました。これまでは「やめるのはよくないから」続けていたことばかりでしたが、初めて「気づいたら楽しくて」続けていました。

そこから少しずつ、教科を教えるのではなく、「ライフキャリア教育」で中高生とフラットに関わるのは好きかもしれない、と教育の道を考えるようになって。このままずるずると法学部に通っていてもよくないなと思い、大学3年の後期から休学することにしました。

その頃、カタリバで出会った方が、地域の人のライフキャリアをサポートする団体を島根県益田市でつくるということで、「迷っているなら一緒にやってみない?」と誘われたんです。それまでの自分なら一般的なレールから外れる選択はできなかったけど、何か一歩踏み出したいタイミングだったので、大学の休学を1年延長して、全く縁のない益田市に移住することに決めました。

そして2020年4月から1年間、地域の子どもと大人の対話の場をつくったり、高校生の活動を支援したりする「一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー(ユタラボ)」でお仕事をさせていただきました。

仕事上学んだこともたくさんありますが、得たもので一番大きいのは、たくさんの地域の方との出会いによる価値観の変化です。それまでは、大人といえば親と先生で、特に母が仕事一筋な人ので、大人とはそういうものだと思っていました。でも益田市で、仕事だけでなく家族の時間を大事にしていたり、伝統芸能を生きがいにしていたり、いろんな要素で自己実現している大人にたくさん出会いました。自己実現の場=仕事ではなく、暮らし全体で自分らしさを表現できるんだと思いました。

<大きな価値観の変化があったのですね。益田市から帰ってきたあと、変わったことはありますか。>
ユタラボで1年活動して、「教育の道で頑張ってみたい」と思いました。やっぱり自分は現場にいるのが好きだったので、教育学部の中でも、社会教育や現場の実践を学ぶコースへの転学部を決めました。
また、学問だけでなく、教育の実践の場もほしいと思ったので、「一般社団法人Fora(フォーラ)」という、探究学習やキャリア教育を軸に学校教育支援をする団体に関わるようになりました。
現在は、どのように自分らしく生きていけるのか研究途中です。教育学部に在籍しながら、一般社団法人ForaとKurashibaの仕事をしています。教育学部は自分が学びたいことを学ぶ場、Foraは教育の実践をしていく場、Kurashibaは大人のライフキャリアにどうアプローチしていくかの実験の場です。

<複数の活動を組み合わせながら、自分の心地良いバランスを探っているのですね。「暮らし」の面で意識していることは何かありますか?>
勉強したり遊んだり仕事したり、自分の時間を使って上手く組み合わせながら心地良く暮らせるか、自分らしくいられるかを大事にしたいと思っています。ずっと仕事で頑張らなきゃと思っていたけれど、益田市で「生き方全体で自分らしさを表現して良いんだ」と気づいたので。今後もいろんな会社で少しずつ働けたら良いなと思っています。その時きた縁やチャンスを掴んで楽しく生きていけたら良いですね。

あとは、無理をしないこと。無理して我慢する方がむしろ楽だと思ってしまうこともありましたが、今は気持ちや体調面を考慮しながら、無理をせずに選んでいくことを心がけています。

<それでは最後に、Kurashiba関わろうと思った理由やこの先やってみたいことを教えてください! >
最初は声をかけてもらって、「ライフの中にワークがある」という考え方に共感しました。それを体現している職場なら自分らしく働けるかも、と思いました。
また、これまで中高生へのアプローチが多かったのですが、ライフキャリアは大人になっても悩み続けるものなので、自分と同じ世代の人にアプローチできるのもおもしろいと思いました。

東京に戻ってきてから「”益田だから”豊かにのんびり暮らせた」と思ってしまっていた時期がありました。でも地方=豊か、といったような二項対立ではないですよね。どんな環境にいても、どんな暮らしをつくるか、生き方は自分次第。島根での経験を通して「自分の人生を、楽しくするのは自分だ」と学びました。

Kurashibaやいろんな人が集う場で、どこにいても自分らしさをつくっていけることを自分自身も感じていたいし、同世代と共有していけたら良いなと思っています。Kurashibaのスタッフをやっていく中でそれを実感できつつあります。結果が見えにくい挑戦ではあるけれど、間違っていないと思える瞬間があるので、もう少し実験していきたいと思います。

<素敵なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!>

執筆:星野

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