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作り続けて15年。カレンダーに想いをのせて。

今日の「時々、コラム。」は、私たちくらしアトリエが毎年製作している、オリジナルカレンダーについて。

少しずつ形を変えながらも、もう15年作り続けているカレンダー。
スタッフの愛着もひとしおの商品です。

最初に作ったのは、2007年。NPO法人化する前から製作していました。
当初は雑貨的な側面が強く、こんな感じのカレンダー。

最初に作ったカレンダーは、黒板の枠付きでした。
白い枠バージョンも。ものづくり作家Rさんの手作り。

ものづくり作家・Rさんによる手作りのフレームに、黒板(黒板消しも!布作家さんに作っていただきました)もついていた、かわいいカレンダーでした。

この時からしばらくはA5サイズでしたが、「もう少し小さなサイズのほうが、どんな部屋にもなじむんじゃないか」と話し合い、少しずつサイズダウンして、現在はポストカードの大きさに。

マンションやアパートなどの小さめのお部屋でも飾っていただけるものを…というのを、当初から意識しています。

サイズ感等は少しずつ変化していますが、コンセプトは最初から一貫していました。
それは、「お部屋に飾っても、主張しすぎないカレンダー。四季を感じられる山陰のひそやかな風景と、ほっとする暮らしのひとコマを綴る」ということ。

「地域と暮らしをつなげる」をテーマに掲げている私たちだからこそできる、山陰の美しい風景と、自然や人の営みが感じられるような暮らしのかけらを、12か月に散りばめています。

2022年のカレンダー

私たちがカレンダーを作り始めた時には、まだ「山陰の風景をカレンダーにする」というのは一般的ではありませんでしたし、あったとしても大きなサイズで、写真がどーん!という感じのものばかりだった気がします。

もちろん、そういうカレンダーもとても素敵なのだけど、狭い部屋の限られた壁の面積を覆い尽くすようなものではなく、柱にピンで引っかけてちょうどいいサイズ感くらいの「ひそやかさ」がくらしアトリエらしさなんじゃないか、という思いで、小さなサイズにこだわっています。

とにかく、目立ちすぎないこと。でもデザイン性はしっかりあって、地域に住んでいる豊かさが感じられるもの。

数字の大きさや色合いにもこだわって製作している、手作りのカレンダー。おかげさまで、毎年楽しみにしてくださる方も多く、「今年はまだですか?」というお問い合わせもいただいたりします。

普通、お店にカレンダーが出回るのは10月くらいからでしょうか。
しかし、くらしアトリエのカレンダーが出来上がるのは、ほぼ12月…。ちなみに、今年の分もまだ、完成していません(申し訳ございません)。

夏から秋にかけてはイベント等があって忙しく、それが終わってから12か月分+表紙分の写真をセレクトしていくのですが、この作業にけっこう時間がかかるのです。

来年のカレンダーが刷り上がってきました。

1年の間に撮りためた膨大な写真データから、これはどうかな、というものをいくつかピックアップし、それぞれの月に配置してみて、「こっちのほうがいい」「真四角のほうが良くない?」など、ああでもないこうでもない、と議論をしながら写真を決定していきます。

「あー、この時期ここ行ったね」「この写真懐かしい」など、カレンダーのセレクトとは関係なく、1年を振り返る時間になることもあり…今年がどういう1年だったのかを、スタッフ自身が振り返る機会にもなっているのです。(なので、実際に自宅で使っているカレンダーを月はじめにめくるたび、特別な感慨があります…。)

また逆に、毎年カレンダーを作っているからこそ、季節のうつろいや美しい風景、暮らしの豊かさが伝わるようなモチーフに注目し、細やかに写真を撮影するよう心がけている、ということも言えるかと思います。皆さんに喜んでいただけるような写真を…と、出かけた先で車をウロウロさせたり、わざわざ遠出したりすることも。
結果として、写真を選ぶ作業がとても大変にはなるのですが…。

写真を決めても、実際に試し印刷をしてみるとまた出来上がりの印象が変わることもあり、何度も何度もやり直す、その作業もけっこうな時間を要します。

そのうえで、カレンダーの製作作業は法人スタッフによる手作業。紙をカットし、12か月ごとにまとめて、(今はありませんが)穴を開けてひもを通し、袋に入れて…という作業を行うので、どうしても時間がかかってしまいます。

でもその作業を経て完成したカレンダーには、最初も言ったように、愛情もひとしお、なのです。

ラッピングの仕上げは「SLOW+SLOW」のスタンプ。

ちなみに、ここ数年のカレンダーは「黒いクリップで止めて、薄いペーパーで包んでマスキングテープで留め、最後に「SLOW+SLOW」のスタンプを押す、というラッピングになっています。
「SLOW+SLOW」ってなに?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが…2005年、くらしアトリエがその活動をスタートさせた時に立ち上げたホームページの名称が「SLOW+SLOW(スロウスロウ」なのです。

こちらのホームページ、現在はNPO法人の活動概要等をお知らせする「法人のホームページ」となっているため、「スロウスロウ」と言っても「?」という方がほとんどではないでしょうか。
そのため、この四角い「SLOW+SLOW」のスタンプを押すのも今さらな気がして、どうなんだろう?と思ったりしたこともあったのですが、ある時、お買い上げいただいたお客さまから「足の不自由な方にプレゼントしたら、ご自身のゆっくりとした歩みと”スロウスロウ”ということばの響きがリンクして、嬉しかった、と言ってもらえた」という声をお聞きし、そのことがすごく嬉しくて、今年もまた「SLOW+SLOW」スタンプを押そうと思ったのでした。ゆっくりゆっくり、自分のペースで…そんな意味も込めて。

年によって、時にはお花だったり、時にはキッチンの風景だったり。
イベントの時に扱わせていただいた、手仕事の作品をテーマに作った時もありました。

過去のカレンダーの変遷

マイナーチェンジをしつつも、常に意識しているのはやはり、「暮らし」と「地域」。

この地域…島根、あるいは山陰、という地域で暮らしていくことを誇りに感じ、日々を豊かに過ごすマインドを持って生きれば、毎日がもっと楽しくなるはず。

そんな生き方を、1年を通して感じていただけるような、そんなカレンダーを目指しています。

今年も、「シマシマしまね」の施設、ネットショップ、そして米子市の生活雑貨店「ティズ・クレイ」さんでの販売を予定しています。

12枚+表紙、そして、ポストカード3枚がおまけで付いてきます。お手紙を書いたり、そのままお部屋に飾ったりして、お楽しみください。

近日発売予定…一緒に、暮らしを楽しんでいただけたら嬉しいです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

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くらしアトリエ(地域と暮らしの発信)
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