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誰も頼んでない…のに勝手に応援シリーズ:津和野町「ざら茶」の魅力を紐解く!
くらしアトリエは今までも何度か「勝手に応援」と称し、何の見返りもないのに勝手に特定の商品や企業のPRをさせていただいたことがありました。
なぜなら「いいものがある」と思うだけで、この土地に暮らすのが楽しくなるんじゃないか、と思っているから。
あるときは山陰を代表する乳業メーカー、「白バラ牛乳」こと「大山乳業」さん。
またあるときは、島根県唯一の私鉄である「ばたでん」こと「一畑電車」。
そしてまたあるときは、あまりに浸透しすぎていてローカルフードだということを知らない人もいる、「ナンメのきな粉」こと「南目製粉」さん。
これら、「誰に頼まれてもないのに勝手に応援して勝手に書いてます」シリーズ、今回は津和野町の「香味園上領茶舗」さんです。
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今回は応援しすぎて前のめりになり、勝手に米子でカフェイベントまでやってしまうという(もちろん、上領茶舗さんにちゃんと許可をいただき、お茶の淹れ方もレクチャーしていただきました!)、勝手に応援シリーズもここまで極まったか、というやつです、ははは。
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私たちと上領茶舗さんとの出会いはもう8年ほど前。
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「シマシマしまね」をオープンさせる前の年に、「島根の19市町村からおいしいものを紹介したい」ということで、各地のおいしいものをいろんな方にリサーチしていたときのことでした。
津和野に「ざら茶」っていうおいしいお茶がありますよ、とうかがい、買って飲んでみたところ、あらおいしい!ということで、ぜひ仕入れたい、と電話をし、当時の店主さんに何とか頼み込んで仕入れをさせていただけることになり……日帰りで津和野までご挨拶にうかがったのです。
当時、NPO法人とはいえ海のものとも山のものとも分からぬ私たちに、よくOKをしてくださったな、と今になってみると感慨深いものがあります。
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ちなみに、「ざら茶」を島根県東部で販売しているのは、松江城の隣にある「島根県観光物産館」と「シマシマしまね」だけなのです。これってすごいことですよね…!あのとき、一生懸命電話で自分たちのことを説明して良かった!としみじみ思います。
以来、「シマシマしまね」では常に人気の商品で、特に斐川でじわじわと口コミで広がっている気もします…(こちらの記事をご参照ください)。
ありがたいことです!
私たちが惚れ込んだ「ざら茶」の魅力を、順を追って説明していきますね。
1.津和野で古くから飲まれていること
江戸時代から、古くは生薬として飲まれていたという「ざら茶」。カワラケツメイというマメ科の一年草を煎じたものです。
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上領茶舗さんでは独自の焙煎方法に加え、栽培期間中農薬を使っていないカワラケツメイを、まだ豆鞘に種がしっかり残っている状態で刈り取ってもらって焙煎されていて、それが独特の香ばしさにつながっているのだそう。
2.健康茶であるのにおいしいこと
そもそもが生薬として飲まれていた、という「ざら茶」。私たちが初めてお取引をさせていただいたときにも、「このお茶は健康にいいのだ」と店主さんが力説され、週刊誌に紹介されたときのコピーをいただいたりしたのですが、利尿作用があり、むくみの解消につながる、というようなことが当時から言われていました。
現在も、むくみを解消したり、体脂肪の吸収を抑えたり、血圧の上昇を抑制したりといった効能が期待されていて、美容健康茶の中でも注目が高まっているそうです。
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ノンカフェインなので、お子さまからお年寄り、妊娠中の方でも安心してお召し上がりいただける、というのも魅力です。
そして、当たり前のことですが何と言ってもおいしい!健康茶というと「良薬口に苦し」的なイメージがありますが、ざら茶は香ばしさの中にほんのり甘みがあって、本当においしいです。冬場はホットで、夏場は冷やして冷蔵庫にストックしておけば、麦茶感覚で家族全員で楽しめます。
3.歴史と新しさが共存していること
時を経て2024年……現在は、当時の店主さんのお孫さんであるリコッタ瑠美さんがお店を切り盛りされています。
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瑠美さんのご主人・アドリエンさんはフランスの方で、「ざら茶」と「ハーブ」の融合を目指し、さまざまなブレンドティーを製造されています。これは、8年前にはとうてい考えられなかったこと。私たちも最初は「ざら茶とローズペタル…?合うのかそれは」と懐疑的だったのですが、これもお客さまから「すごくおいしかったのでぜひ試してみてください」とご推薦をいただき(ありがたい!)、実際に飲んでみてそのおいしさに惚れ込んで、仕入れさせていただいたのでした。
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現在は「おはようブレンド」「おやすみブレンド」など、ざら茶を日常のなかのいろいろな場面で楽しめるような工夫もされています。どれも奇をてらったものではなく、ちゃんとおいしく、リピートしたくなる味。そう、「ざら茶」はリピーターが非常に多いのも特徴なのです。
瑠美さんは現在、環境に負荷の少ないクラフト紙のパッケージを取り入れたりと、小さなお店からでも地球のためにいいことをしよう、という取り組みもされています。
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でも、長きにわたって愛されている「ざら茶」のパッケージはそのまま残してくださっていて、そのこともとても嬉しい!私たちにとっては「ざら茶」と言えばこの緑のパッケージ。販売していると、「あー懐かしい!」と手に取ってくださる方も多いのです。
4.津和野の将来を思ったお店づくりをされていること
くらしアトリエがNPO法人15周年記念として発刊した記念冊子「日々 綴ってきた」の中に、店主であるリコッタ瑠美さんに文章を寄せていただいています。
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その中で、津和野という土地をいかに大切にされているか、を垣間見ることができます。一部、引用しますね。
◎お店が15年後、どうあってほしいと思われますか?という問いに対して
地元のおじいちゃんおばあちゃんから変わらず愛され、観光の方と地元の方の交流が自然と育まれるような交流の場であってほしいです。
◎津和野という地域に対しての思い
廃業が続き、お店の数も人口も減少の一途の津和野。寂しい…新しいお店が出来て、人があつまる場になり、賑わいが戻っていると嬉しいです。
どんどん傷む空き家が減り、美しい町並みが残り、大切に受け継がれてきた文化神事はもちろん、お茶も)が次世代に受け継がれていますように。
私たちが先日お店にお邪魔した際も、本当にいろんな方が「おはよう」とお店の玄関を覗いておられました。
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ある方はコーヒーを飲み、ある方は「お店の屋根にカラスがいたよ」という話をして、またある方は野菜を売りに来られて…という感じで、ここが津和野のひとつの拠点になっているのかな、という印象を受けました。
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フランス人のアドリエンさんは、外国からのお客さまのツアーガイドをされています。外国の方から見た津和野の魅力を一番よく理解されているので、きっとこれから、たくさんの方の懸け橋になってくださるんじゃないかな。お店の2階にはゲストハウスもオープンされていて、ご夫婦ともにコンシェルジュとして、津和野のいいところをたくさん、教えてくださるのも素敵です。
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お茶という文化を通して、津和野に興味を持ち、好きになってもらう人が増えたら、というのが、ご夫妻の思いなのだとしみじみ、実感しました。
観光という視点から見ても、津和野は本当に魅力的なスポットがたくさんあり、こじんまりとした、あたたかみのある地域です。街歩きも楽しいし、素朴なお土産もいろいろ。
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「ざら茶」はもちろんですが、一番有名なのは「源氏巻」です。
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巻物のようにあんこを生地で包んだ甘いお菓子で、お求めやすい値段で、津和野の街中に何店舗もお菓子屋さんがあります。
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個人的には大河ドラマ『光る君へ』で紫式部が脚光を浴びているいま、源氏巻ももうちょっとアピールしてもいいんじゃないかなあと思うのですが…。ちなみにこちらが過去に書いた記事。
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太皷谷稲成神社の鳥居、カトリック教会、乙女峠マリア聖堂などの歴史的な旧跡、
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安野光雅美術館や石州半紙の体験、鷺舞や石見神楽など、見どころも本当にたくさん!
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いつも駆け足で過ごしてしまうので、いつかゆっくりのんびり、あちこち巡ってみたいな…というのが夢です。
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…そんな「津和野」と「ざら茶」の魅力を、本当にただただ勝手に応援したいという思いから企画した「ざら茶カフェ」。
7月5日(金)、6日(土)の両日、米子市の生活雑貨店「ティズクレイ」さんで開催いたします。
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創作和菓子作家の「こちかぜ」さんに、オリジナルの「ざら茶和スイーツ」を作っていただきます!
会場のティズクレイさんも、和菓子を作ってくださる「こちかぜ」さんも、私たちにとっては「なくてはならない存在」「応援したい存在」。なので今回、ご一緒できてすごく嬉しい!
「こちかぜ」さんの「ざら茶和スイーツ」は、ざら茶あんみつ、ざら茶冷やしみたらし、ざら茶水まんじゅう……どれも、香ばしさと甘みが特徴の「ざら茶」の持ち味を生かしたお菓子になっています。
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店内でドリンクと一緒にお召し上がりいただけるほか、あんみつ以外の和菓子はテイクアウトも可能です。
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もちろん、「ざら茶」のテイクアウトもできますし、茶葉の販売もあります!
ご家庭でおいしい「ざら茶」を楽しんでいただき、津和野に思いを馳せていただけたら…そんな思いで、ただいま絶賛準備中!
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オーダー票を作ったり当日の動線をあれこれ考えたり、メニュー表を印刷したりと、かーなりあたふたしていますが(頼まれてもないのに…)、
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楽しみながら当日、心込めておもてなしをさせていただこうと思っています。
以上、勝手に応援して勝手に魅力を書き綴りましたが、その根底にあるのは「こんな素晴らしい取り組みや、素敵な人がいるというのを知っていると、ここでの暮らしが楽しくなるはず!」という思いです。
素敵な人がいる島根、魅力的なお店のある島根、「いいもの」がたくさんある島根。そう思ったら、毎日が今よりちょっと楽しくなると思いませんか?
津和野に限らず、いろんな地域でそれぞれにある「いいもの」「素敵な人」、それから以前にも綴った「素敵な風景」などの存在を知っていけば、「ここで暮らしてよかった」がどんどん積み重なり、地域への誇りも高まっていくと思うのです。
それこそが、私たちくらしアトリエのNPO法人としてのミッションでもあります。ここに暮らす人たちが、ここを好きでいてくれること…それが、究極の地域活性化だと思うのですよね。
そんな思いで、これからも勝手に応援シリーズ、続けていきたいと思います!
上領茶舗さんの「ざら茶」を使った「ざら茶カフェ」については、こちらの記事もぜひ、ご覧ください。
ざら茶のこと、津和野のこと、ちょっと気になる…という方はお気軽に、お越しくださいね。お待ちしています!
いいなと思ったら応援しよう!
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