![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172441513/rectangle_large_type_2_4fbdc01aa59a0563f31c5379dfd5c8b6.jpeg?width=1200)
「おばさんだから大丈夫」という言葉。
とかく「おばさん」という言葉にはついついネガティブな意味を持たせてしまいがちですが、そうじゃなくて「前向きな烙印」として使ってみたら、心が楽になった、というのが今回のコラムです。
例えばランチに行ったお店でメニューについて質問したいと思ったとき。
例えばコンビニで、機器の使い方が分からなかったとき。
「なんか、人に聞くの恥ずかしくない?」とスタッフに言われたことがありました。そのときに私が「大丈夫、おばさんだから」と何気なく答えたことが、スタッフの心に残ったそうなのです。
それ以来、そのスタッフはちょっと勇気がいるような、人に聞いたりするようなシチュエーションに陥ったとき、「おばさんだから大丈夫」という言葉を心の中で念じてから行動に移しているんだそうです。「おばさんだから大丈夫、って、魔法の言葉だわ」と言っていました。
そういえばここ数年で、スタッフ間で話をするときに「おばさん」という言葉が頻繁に出てくるようになりました。私自身も50歳を超えていて、無論自分が「おばさん」だという自覚はあるのですが、その言葉を使うときにはどちらかというと「年齢的なカテゴリとしてのおばさん」ではなく、「自分を生きやすくするライフハックとしての名称」でとらえています。
![](https://assets.st-note.com/img/1738311962-94grwU2RfWMVdGXiBxpJsDK5.jpg?width=1200)
つまり…「おばさん」という言葉を自分にあてがうと、「恥ずかしくて聞きにくい」ことも、するっと聞ける。
分からないことを、ちゃんと「分からないので教えてください」と言える。
「シャイ」「人見知り」という性格を補い、コミュニケーション能力を伸ばしてくれる。前向きな烙印を押された気がして、気が楽になる、というわけです。
人はそれを「図々しくなった」と言うのかもしれませんが、そうじゃなくて「生きやすくなった」と考えるほうが、ずっといいと思いませんか?
そして、ここが大切なのですが、「おばさん」という言葉を自分自身が使うとき、それは「自虐」ではなく「事実」です。
そこに自分を卑下する気持ちはありません。「おばさんだから(〇〇できない、あるいは〇〇できちゃう)」といった、自分を下げて誇張する表現をしても、周りも自分もあまりいい気持ちにはなりませんよね。
また、「おばさん」という言葉に私たちが託すのは「我を通す」ことではありません。それは、単なるわがまま。
我を通すのに「おばさんっぽい」とネガティブに使われたりすることもあったりするのですが、それって個々の人格の問題では?と思います。
そうじゃなくて、人生をより良く生きるために会話や行動で間口を広げたり、きつく締まった扉を開けやすくしたり…そういうイメージでしょうか。
「おばさんという生きやすさを手に入れることができた」という前向きな気持ちでその言葉を発すれば、「あまり躊躇せずに他人に話しかける快活さや、少々過剰な親切心」を言語化できると思うのです。
で、事実としてここ数年、この「あまり躊躇せず他人に話しかける」「少々過剰な親切心」が難なく発揮できるようになってきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1738311779-Ew1ahsCBKgkrmyD678S9znci.jpg?width=1200)
先日も、有料駐車場の精算口でやり方が分からなくて困っている方がいて、差し出がましいと思いつつ「おばさんだから大丈夫」としゃしゃり出て、「ここに車のナンバーを入れるみたいですよ~」とお声がけしました。
少し前には、病院でマイナンバーの読み取り方法に戸惑っていらっしゃる方に「ここにかざすみたいですよ~」と話しかけたことも。
(この「〇〇みたいですよ~」というのが自分的には声をかけやすいようです。私が言ってるわけじゃなくて、みんながそう言ってます、という、なんだかよく分からない見栄みたいなものでしょうか…。)
お店の方にもいろいろ聞けちゃうし、知らない人に話しかけることもできる。困っている(ように見える)方がいたら、「お手伝いしましょうか?」「それ、こうしたほうが早いですよ」などと声をかけることも躊躇なくできちゃう。そんな自分が、なんだかすごく「いいなあ」と思うのです。
なぜなら、若い頃の自分はシャイで人見知りで、そのうえ自意識過剰で…常に「こんなこと言ったら恥ずかしい!」という妙な気持ちに囚われていたから。
そこから自分自身を解放できて、ものすごく生きやすい!「お前のことなんて、他人はそんなに気にしてないぞ」ということに気づいただけで、鎧が取れたみたいに楽になったのです。
そう、人は案外、他人のことなんて気にしないし、見てもいない。どう思われるかを気にするよりも、素直にコミュニケーションをとったほうが楽しいに決まっている。そのことに気づくのに、「おばさん」化はとても効果的だったのでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1738311932-vyrlFTHnZa5x3UbcN9u70XkE.jpg?width=1200)
自分にとって「おばさん」化はすごくありがたいライフハック。
迷惑にならないラインをしっかり踏まえたうえで、前向きに「おばさん」をとらえて生きていきたいと思います。
いいなと思ったら応援しよう!
![くらしアトリエ(地域と暮らしの発信)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/5968791/profile_9826fa427afdaede64ec5733c098d28b.jpg?width=600&crop=1:1,smart)