「うつわにまつわるエピソード」Vol.2 受け継ぐうつわ。
おはようございます。
オンラインイベント「うつわと暮らしを楽しむ秋」、開始から1週間が経ちました。土日も、ネットショップでたくさんご注文をいただきありがとうございます。第一弾の発送は22日(木)に行いますので、今しばらくお待ちください。
引き続き、さまざまなジャンルのうつわをご紹介していますので、ゆっくりご覧くださいね。
さて、オンラインイベントの企画のひとつ、「うつわにまつわるエピソード」を今回もご紹介していきますね。
今回はお店のオーナーさんおふたり。
まずは、いつも大変お世話になっております、米子市の生活雑貨店「ティズ・クレイ」オーナーの松本佳子さんです。
「画像の器は、ずーっと前から、実家で使われていたお客さま用のカップです。」
「器好きの祖父母、両親とともに暮らしていたので、身の回りにあるさまざまな器を見ながら小さな頃から育ちました。
本格的な手仕事の器に混じり、こんなかわいい愛嬌のある器も。
裏には、Toyotokiの文字。
このトリのとぼけたような表情と、まわりの味のある絵柄が大好きで。いつもこの器が使いたくて、虎視眈々とその機会を狙っていました。(なにせ、一応お客さま用なので、子どもには使わせてもらえなかっだのです。)
私の仕事は、雑貨屋です。
この器は、その雑貨好きのきっかけの1つだと思っています。
雑貨って、『日用品で、身のまわりにあって、ブランド品でも高級品でもないけれど、使いやすかったり、愛着がわいたり、楽しくなったり、暮らしの中で一緒に時をすごしたいもの』と、私は思っています。
年を経て、今では私の手元にこの器はあります。」
「何年経っても、変わらず大好きな器です。
そして、手にする度に、重ねてきた家族とのあれこれを思い出す、大切な器です。」
山陰にまだ「雑貨屋さん」という存在自体がなかった時代。タオルやコップを銀行や酒屋さんからもらったものじゃなく、自分で選んで買う、という概念自体がない時代。そんな時代に「ティズ・クレイ」というお店を立ち上げた松本さんのルーツのひとつが、受け継がれたうつわにあったのですね。ちいさな松本さんがうつわを虎視眈々と狙っている図を想像すると何ともかわいい!そして「Toyotoki」とは東洋陶器、後の「TOTO」なんだということも新たな発見でした。
◎ティズクレイさん … 鳥取県米子市西福原4丁目8-50
◎11時~17時オープン(木曜定休)
次に、出雲市で代々乾物屋さんを営む「松ヶ枝屋」さんの永瀬さん。個人的にとても興味がありつつ、永瀬さんならもしかしてこんな答えかもしれない…と感じていた、その通りのお答えが返ってきました。
「うつわにまつわるエピソード、と聞いて、”無い…”と即答できました。他にもそんなお宅があるのではないでしょうか?
家が古いので『家にずっとある器』を毎日使っています。器を自分で買うことはありません。鉢類、皿類、茶器、蓋付き、片口、陶器、漆器、 行事用のあれこれ…。お祭りの時期に親戚が家族総出で泊まりに来たり、結婚式や葬式などの行事も全て自宅でしていた時代、器はいくらあってもよかったのだと思います。
「我が家の器、家の住人よりもずっと長く我が家に住んでいるからか、馴染みすぎていて、”この器が好き”とか”あの器は嫌い” という以前の存在です。画像は、蓋つきの奈良茶碗です。」
そうですよね、そうですよね!と強く同意してしまいました。きっとこういうご家庭は本当に多いと思います。しまう場所があって、受け継がれたうつわが多くある島根では、たくさんの食器がずっとそこに「ある」という光景があちこちにあるんじゃないかと思います。きらびやかさとかではなく、ただただ日常の中にうつわがある、という暮らし。奈良茶碗、存じ上げなくて調べたら、茶粥を入れていた食器がルーツとのこと(諸説あり)でした。私から見たら「素敵!」とときめいてしまうような食器たちですが、これも永瀬さんにとっては日常以前の風景なんだな、と感じました。
◎松ヶ枝屋さん …島根県出雲市今市町1408
松ヶ枝屋さんでは、毎日鰹節を削り、削りたてを店頭販売しておられます(ふわふわでまさに「削りたて!」)。他にも昆布や煮干し、干し椎茸など和食の『出汁』材料を取り扱っておられます。島根ならではの 「あご煮干し」(飛魚煮干し)もおすすめです。
◎10時~18時オープン(日・祝日定休)
エピソードは引き続き募集しています。写真を1~2枚と、そのうつわにまつわるお話をメールフォームにてお送りください。
オンラインイベント「うつわと暮らしを楽しむ秋」の概要はこちらからどうぞ。
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