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「公私混同の複業」から想像する、ワークアズライフの未来。

先日SNSを見ていたら、「公私混同の複業」というハッシュタグがトレンドワードになっていました。

「公私混同」はもともとマイナス要素のある言葉です。でもそこに漂う「いやいや、なんかただのマイナスではなさそう」というわくわく感。そして、「副業」ではなく「複業」。

興味を持ってタグを追ってみると、東京・渋谷で行われている会員制コミュニティ「朝渋」で行われていたトークライブのテーマでした。

トークの内容をすべて聞いたわけではないのですが、SNSを通じて発信されている参加者の声を拾っていくと、とても面白く共感できるお話だったようです。

そもそも、「副業」と「複業」の違いは何かと調べると、「副業」が本業での収入を補うための「補助的な仕事」であるのに対し、「複業」というのは複数の仕事を平行し、パラレルに仕事に取り組んでいくスタイルのことで、いわば「本業」が複数ある、というイメージでしょうか。

まずわくわくしたのは、「安定志向だから複業する」というコメント。

まだまだ安定志向=終身雇用、という概念がある中、安定していたいからこそ柱を何本も作っておいてリスクを分散させる、という考え方は、私たちが考えていた「ポートフォリオ」についての考え方と似ていました。もちろん、仕事の質や形態はまったく異なりますが、複数の顔を持つ…ということの大切さをおっしゃっているのだと思います。

また、NPOの活動の中でも「柱を何本も用意しておく」というのは長続きや安定の一番の近道、と言われています。自主事業(私たちで言えばシマシマしまねの運営やデザインなど)のほかにも、寄付金・クラウドファンディング・新規事業立ち上げなど、複数の資金調達方法を持っておくことが必要、ということなのです(なかなかこの通りにはなりませんが…)。

「一つの道を究めるのが何より大切」という考え方もあるけれど、「何本も道を持っている」ということもまた、面白い生き方だと思う。仕事に限らず、いろんな顔を持つこと(母親とフルタイムワーカー、ビジネスマンとNPOスタッフと学生、専業主婦と災害ボランティア、などなど)、違う分野のことを勉強すること…もっと広い視野で社会を見ることが、求められているように思います。

そして、もうひとつわくわくしたのは「公私混同」の意味合いで、これは私たちが目指している「ワークアズライフ」に通じるもの。

「ワークアズライフ」とは、落合陽一さんが提唱していることばで、「ワークライフバランス」との対比でよく語られます。「ワーク」と「ライフ」を分けてそのバランスを論じるのではなく、いわば仕事と生活を共存させること。「仕事とプライベートを分けず、寝ている時間以外はすべて仕事であり趣味であるという考え方」です。

そもそも切り分け方が違っていて、ワークライフバランスは「仕事」と「それ以外」を時間で区切るのに対して、ワークアズライフではストレスがあるかないか、で切り分けるイメージ。

例えば働いている時間がすごく長くて、人から見れば「大変そう…」という人でも、本人はストレスフリーで仕事をしているから気持ちも楽でとても楽しい、ということ、あると思うのです。※落合陽一さんはまさにそんな人。

私たちも、毎日日記を書いたり、レポを綴ったり、写真を撮ったりと動いていて、「毎日更新するのって大変ですよね」と言われますが、これは自分たちの楽しみでもあり、社会貢献の一助であり、そして仕事でもあるので、ストレスももちろんありますが、それはすべて「楽しいこと、やりたいこと」につながっています。

「やりたくないことをやるストレス」とは対極にあるもので、負担にはならないのです。

暮らすように働く、というワークアズライフ。初めて聞いた、という方にはちょっとわかりにくいかもしれませんが、私が「ワークアズライフ」で頭に浮かぶのは、農家さんかな。ながせファームの園山さん、GOOD LIFE FARMの青野さん。皆さん、暮らすように働いておられます。お天気、一緒に働く人たちの顔、土の様子、風、家族…。そんな日常の中に「野菜を作る」という仕事が、当たり前のようにある。とても幸せそうで、だからお会いするとすごく元気をもらえる。そんな生き方に憧れます。

夏のお楽しみ便でもお世話になっている「朔のカンパーニュ」さんも。パンという暮らしに根付くものに相対しておられるから、というのもあるけれど、とても肩の力が抜けていて、日々の暮らしを楽しんでおられて、かといって仕事に一切妥協がない。暮らしが垣間見える働き方だから、そんな人が焼いたパンが食べてみたくなるのではないでしょうか。

暮らしと仕事が交じり合ってもいい、もちろんまったく別でもいい。そんな時代が来ているのだと思います。

だからこそ、私たちは働き方も暮らし方もひとつに絞らず、やりたいこと(私たちにとってそれは「ソーシャルグッドな取り組みをくらしアトリエを通して行う」ということ)にまっすぐに生きていきたい。公私混同、大いにけっこう!

皆さんも、一度「ワークアズライフ」、考えてみてください。興味のある方はこちらの本をどうぞ。





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