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話が続かない

今年も帰省をした。
実家と言ったって、離れて長い時間が経っているからもはや他人の家だ。「おちつくー」みたいな感覚はもうない。母との会話もさほど盛り上がらないので、本当はずっと、2階の自分の部屋に居たい。それをすると「たまにしか帰ってこないのだから少しはリビングで過ごしなさい」と母は言う。母は息子と話がしたい。息子はひとりで過ごしたいが、親孝行なのだからと言い聞かせて仕方なく話をする。話は続かない。年老いた母と中年の息子って、どんなことを話せばいいんだろうか。いつから話ができなくなってしまったのだろうか。

今年も、親孝行のための帰省を全うした。
帰り道の足取りは軽い。

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