見出し画像

tokyo

2014.04.02

こんばんは。
昨日、今日と久々の東京出張でした。
今回の目的は、来年12月に本店で富井貴志さんと二人展を
していただく濱野太郎さんのアトリエ訪問と、
H.P.E主宰の谷由起子さんの講演会を拝聴する為。

品川駅で新幹線を降り、小一時間電車に揺られながら濱野さんのアトリエへ。
織りをはじめた時のこと、ものづくりのこと、プライベートなことなども
色々とお話させていただき、楽しい時間を共有させていただきました。

ちょうど機(はた)には、ナチュラルカラーのものがかかっていました。


濱野さんはウールを原毛のまま仕入れ、洗いや染めなどの処理をして
手紡ぎで糸を作られます。もちろん、縦糸も・・・

前職はイラストレーターで、約5年前、誰にも師事することなく手探りで手紬と
手織りを始めた濱野さん。たまたまご縁があり、手伝いとして行った
福岡県小郡の翔工房で過ごした
1年間が大きかったとおっしゃられます。全く何も出来ない自分に出会えた
とか。。。

今まで僕が出会った染織家の方々とは、全く違う考え方の濱野さん。
とても繊細、でもとても熱いお方です。
現状は生産数の都合上、常設店はなく、展示会のみの販売。
大阪以西は当店が初のようです。
富井さんとのコラボも今からとても楽しみです!

打ち合わせ後に、日本民藝館へ「九州の陶磁」を見に行く予定を伝えると
ご一緒いただけることになり、記念にパチリ☆


今日は午前中はゆっくりしながら、自由が丘の岩立フォークテキスタイル
ミュージアムに谷さんの講演を拝聴しに行ってきました。

現在、岩立フォークテキスタイルミュージアムでは「第15回 中国少数民族のデザイン 
ー永遠に続く新しさー 」という展示を19日まで開催されており、
その一環として「雲南省国境ラオス北部少数民族の布仕事」
 ー HPEの布作りから ーという講演会がありました。

ラオスでの谷さんの布作りに関しては、今まで展示会でお世話になる度に
勉強させていただきましたが、どれも谷さんの言葉として伺うだけでした。
でも、今回は吉祥寺のOUTBOUNDの店主である小林和人さんが撮影された
映像を使いながらの講演会、とてもとても勉強になりました。
そして、レンテンの布や黒タイの布に使われている赤い染料《ラック》も
実物を見ることが出来ました。

ラック貝殻虫はネムの木やセンダンの木に自らの分泌液で巣をつくります。
一定期間が経つと貝殻虫は出て行ってしまうので、それを見計らって巣を
集めて染料に使用します。
また、このラックは接着剤としても使われています。


黒タイの人たちが作る絹糸。
このままでもとても美しいものです。
蚕を育てるところ、繭を作らせるとところなど貴重な映像を
拝見させていただきました。
今回の講演会は東京での開催で、事前の案内も一般の方に向けたもので
我々配り手に向けてというものではなかったのかもしれませんが、このお話は
H.P.Eの布を扱うすべての配り手が聞くべき、見るべき講演会だったと
感じました。
手紡ぎ、手織り、手縫いそして、草木染め。
この奇跡的な布が少しずつでも残っていくことを願います。
需要と供給のバランスと言うか、需要が高くなればこの布を
もっとつくるようになり、この仕事を残しやすくなるのかなと思って
いましたが、消してそうではないのかもしれないと感じました。
売れなければ意味が無いし、ますます作らなくもなるかもしれませんが、
何より大切に作られたものを、大切に配ることが出来ければと思いました。
くらしのギャラリー本店では11月後半に展示会を開催していただきます。
今からとても楽しみです!
いろんなヒトに出会い、いろんなヒトと時間を共有することができた二日間。
しっかり心の充電も出来ました。
また、明日からもがんばりますよーーー!