メディア別3選 「ホテル構文」を収集してみた
「マンションポエム」という言葉を聞いたことがありますか?マンション広告で見られる、詩的なキャッチコピーを指します。
間取りや内装といった物件の単なる説明ではなく、居住地による社会的地位を想像させるワードセンスには感服です。ステータスらしいステータスを持っていないので、部外者としてツッコミどころを探すのも楽しいですね。
輝かしいマンションポエムにご興味のある方には、こちらの記事をご紹介。(文春オンライン 大山 顕 「1000作品以上集めてわかった「マンションポエム」に隠された“ワナ”」)
今日お伝えするのはマンションではなく、ホテルのうたいかたです。
「ホテル構文」を収集してみた
暮らし続ける一生の買い物とは異なりますが、宿泊施設にも「ホテル構文」なるものが存在します。ホテルの公式HP・国内外OTA(宿泊予約サイト)・SNSでの個人発信に至るまで、メディアによって個性がありそうです。
ホテルを予約するとき、私は複数のメディアを閲覧します。SNS→公式HP→OTAの時もあれば、OTA→別のOTA→公式HP→SNS→公式HPの時もあり、もはや予約行動ではなくただの趣味です。
そんな趣味ついでに収集したホテル構文を、メディア別に3つご紹介します。
既存の型にハマらないその他のホテルメディアこそ大好きなのですが、とっても素敵なので今は内緒。
1. 公式HP編
豊富な情報量で、とことんホテルのコンセプトを語ることができる公式HP。チェーンホテルではブランドの統一感を示すため、チェーンとしてのあり方を語り、各施設は「ホテル一覧」のコンテンツ内で紹介されることが多いです。
ここではチェーンとしてではなく、施設単体の魅力を謳ったホテル構文を紹介します。事例を探してみたい特異な方がいれば、「コンセプト」としてサイトコンテンツを設けているホテル、内資のホテルが個人的にはおすすめです。
「粋」と「心意気」の言葉選びが素敵なこちらは、ロイヤルパークホテルのもの。
地域の空気を含んで建ち、地域にゲストを送り出すホテル。立地と街の雰囲気を伝える構文は鉄板です。
よくある構文はこのようなかたち。
——(エリアの一般的なイメージ)の中心地、【エリア名】。
××ながら〇〇な体験(対義語を配置)で、上質なひとときをお届けします。
——〇〇の発信地として、世界の人々が集う【認知度の高いエリア名】。
【よりローカルな地名】に佇む(ホテル名)は、(具体的なサービス)でみなさまをお迎えします。
地名・一般的なイメージと意外な価値・サービスのこだわり・丁寧な歓待。
これらを配置すれば、我が家にも少し高級感が出るでしょうか……。
2. 国内OTA(宿泊予約サイト)編
OTAとは「Online Travel Agent」の略称で、オンライン上で予約取引を行う旅行業を指します。国内OTAといえば、日本企業が運営している楽天・じゃらん・一休などがメジャーです。
国内OTAの販売方法は「プラン売り」と呼ばれることもあり、単なる「客室」ではなく付加情報をつけた各種の「プラン」が打ち出される点が特徴です。朝食付きに特典付き、早期割やショートステイなど様々なプランが商品となります。
予約サイトはひとつのプラットフォームですので、統一されたフォーマットに沿ってコンセプトを打ち出す必要があります。施設のキャッチコピーや説明も、限られた字数での表現となるでしょう。
しっかりめのフォーマットがありそうなじゃらん・一休で、ホテル構文を探してみます。
今回は東京・銀座のホテルを取り上げました。OTAでのホテル検索は、都道府県や地域を絞って比較検討していく流れだからでしょうか。エリア内で他ホテルと比較されることを想定し、ピンポイントでどの駅に近いのか、駅からどれくらいの距離かといった立地面の記載が目立ちます。
特にホテル数の多い都市部では新規開業も多く、開業年月で新規性をアピールする施設もあります。都市部でビジネス出張の合間に大浴場でひと息つけるホテルも人気です。
——【大浴場完備】20XX年X月オープン!(駅名)より徒歩○分の好立地でビジネスにも観光にも最適。
限られた字数で詰め込むとこうなる、というのは理解しました。毎度思いますが、ビジネスにも観光にも最適ってつまり何でしょうか。
OTAの雰囲気に沿ってか、楽天・じゃらんではテキスト内にも記号が散見され、一休では記号なしが多いようです。今回は楽天・じゃらん風に我が家をキャッチーにしてみました。
3. SNS編
リアルな宿泊経験に基づいて、宿泊者個人が発信する投稿も検討の後押しになります。TwitterやInstagramでおすすめホテルを紹介するアカウントを参考にする方も多いのではないでしょうか。
何より施設や食事のビジュアルが参考になりますが、テキストも限られた字数で目に留めてもらえるように工夫されているはずです。
人気のアカウントを参考に投稿される方もいらっしゃるよう。近年の「ホテル構文」として、しばしば目にするのはこんな表現ではないでしょうか。
——(エリア)にある【ホテル名】が〇〇すぎた……
(ホテルの成り立ちや特徴)なホテル。
館内では○○に△△もあって、××もできて最高……
これで一泊1人(金額)円〜は流石にお得すぎる……
立地とホテル名に加えて、体験はてんこ盛りに、最後に金額で一押し。
発信者によって言葉選びは様々ですので、SNSでお好みのホテル系アカウントを探してみてください。
この構文に見られる「……」で私が想起するアカウントは、「旅する2人」さん。興味深い投稿もありました。
インフルエンサーに賛否あれど、何かに特化して発信を続けることはとても気力のいることです。
SNSホテル構文で、我が家も魅力的に見えるでしょうか……
まとめ
次の宿泊先を探すついでに、メディアそれぞれでのホテル構文をお伝えしました。実践編を経て、我が家にもこれで少しは愛着が湧きますね。
限られた文字数に詰め込める情報は、どうにも削ぎ落とさざるを得ません。しかし、最近は音声メディアやマガジン形式で、独自の魅力を遺憾なく発揮するホテルも出てきています。
ホテル情報を積極的に受け取っていきながら、我が家を抜け出して多くのホテルに足を運びたいと思うのでした。
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