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コントロード番外編 「さらばアンデス」

元相方のセトからLINEが来た。

解散してからも僕らはわりとよく連絡を取っている。

共通のお笑いや演劇関係の知り合いが多いこともあって、なんやかんやでセトの出る公演の脚本を書いたり演出を頼まれることが多かったからだ。

そうして久しぶりに会うと、勝手知ったる仲だし、二人でやっていた頃よりもどこか気楽に会えるし、なんなら今までで一番仲良くやっているかもしれん。

ところで突然のLINEは一体何の用かと思ったら、そこにはひとつのWeb記事のリンクが貼られていた。

喫茶アンデスが閉店する。

喫茶アンデスは第十六話「僕たちのシアタートリム」で紹介した、僕らがネタ作りのために足繁く通った喫茶店である。練馬に長く住む人にとってはおなじみの昔からつづく老舗の喫茶店だ。

この喫茶店でよく名物のナポリタンで腹を満たし、何度も鉄臭い水を飲み、僕は何本もタバコを吸いながら、たくさんのツィンテルのネタが生まれた。

その喫茶アンデスが、やはりコロナの影響もあって閉店することになったのだと言う。

残念だな。

実はひと月ほど前にお世話になったやついいちろう先輩のご厚意で、やついさん主催の「やついフェス」で一夜限りの復活を遂げたツィンテル。こちらも残念ながらオンラインでの復活になってしまったわけだが、久しぶりに練馬駅に集まって稽古をした。

稽古の場合は体を動かすので練馬文化センター前と決まっている。

5年ぶりにネタを合わせるのは非常に恥ずかしくもあり、でも体は覚えている部分もあり、まあ言ってみれば昔つき合っていたコとひょんなことからセックスすることになったぐらいの気まずさと興奮度合いではあったわけだが、稽古への通りがけにアンデスを見ると休業の貼り紙がしてあって、まあ今はコロナで大変だろうなと二人で言っていた矢先だった。

そういえばその近くの遊園地「としまえん」も8月をもって閉園する。

としまえんについても記事を書いた。

元々幼稚園小学校と練馬で過ごし、大学も江古田だった僕は、練馬付近に非常に縁がある。

「練馬に住んでいる」と言われるとそれだけでちょっとその人を好きになってしまう。

そのぐらい練馬のことはよく知っているし、思い出深い地も多い。

そんな思い出たちが、コロナの影響もあってかひとつひとつなくなってゆく。これはきっとどの土地でも同じだろう。

コロナは確実に時代に変化を求めさせている。

変え難い残酷な変化さえも。


今までありがとう、アンデス!

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