ボーナスステージ
振り返ると2017年は、あらゆる物事のターニングポイントのような年になったのかもしれない。それは追々振り返って思い出すとしよう。
そんな1年の中で、先日、ボーナスステージのような日があった。
仕事で来ていた東京の友人から「出張のついでに京都を観光したいので1泊させて欲しい。」と連絡がある。私はもちろん快諾し、彼女と2人、紅葉が残る地へ足を運ぶことにした。
なんとなく行き先を決めて向かう。
大した下調べもせずに向かったその地では、京都に似つかわしくない人の少なさと京都らしい神社仏閣と紅葉を楽しむことが出来る。
12月の頭だというのに、雲一つ無い快晴と、風に吹かれてハラリと舞い落ちる紅葉が美しい。
「いや〜思わぬボーナスステージですね。」
「マップもほぼ見てないし、気付いたら来てしまったタイプのボーナスステージですね。コースを普通に歩んでたのに突然迷い込んだような。」
歩けば歩くたび、広がる未開拓ゾーン。どんどん書き換えられていく脳内。
また教えたくない京都が増える。京都は観光・宿泊バブルだ。ホテルやゲストハウスが乱立し、どこに行っても国内外を問わず人が多い。
人混みが苦手な私にとっては、とても貴重な地なのだ。
「この1年は頑張ったと思ってるんです。」
「分からないこともない。」
「今まで無闇矢鱈に頑張ってたけど、焦点を当てて取り組めたというか。」
「ぁ〜」
「で、これから師走なんですけど、今までよりも余裕があるんですよね。来年のことを考える余裕がある。だから、2017年は来週で終わりにして、後は2018年のことを考えましょう。もっと焦点を当てて取り組める年になれると思いますし、2018年。」
「それは違い無いですね。私もそんな感じかもしれない。来週で一旦区切るので。だから今日は、ボーナスステージなんですかね。お互い。」
歩き疲れた我々は、ふと思い立ち、足湯のある駅に向かった。
15分も浸かれば、残りわずかなライフは120%まで回復する。足は第2の心臓だ。
全ての行動が吉と転じる特別な日。
案外、何も考えない方がボーナスステージに行きやすいみたい。
それに気づけただけでも素敵なことで、そういう日だったように振り返りながら思う。
いただいたサポートで本を買ったり、新しい体験をするための積み重ねにしていこうと思います。