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はらぺこうつわ、こと、山本薫さんの陶人形による竹久夢二の絵画世界の再現

岡山市北区出石町にある工房では、陶芸作家の、はらぺこうつわ、こと、山本薫さんが、日々、愛情深い陶芸作品を製作されています。

山本さんの作り出す陶人形は、少しゆるい造形なのですが、妙にリアルで、魂が宿っているかのように、それぞれに内に秘めた重層的な心情が感じられます。

そんな情深い作品で、岡山出身の総合芸術家、竹久夢二の世界を再現してみました。

まず選んだのは、雪の降る江戸情緒がある街で、ぶどう色の頭巾を被って佇む女性の絵です。女性の着物には、夢二による細やかなしつらえで、にじみ出る色香が感じられます。女性は、特定の情念を発散することなく、喜びも悲しみもすべて抱きしめて、しとやかに立っています。

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再現にあたっては、山本さんの、静に、うずくまって、そっと存在する陶人形をセレクトしました。陶人形は、日々の思いを反芻するようにして、夢を見ているかのようです。

女性の着物は、赤紫の大人色をしたバラ、カフェ・クレマで表現しました。降る雪は、野遊びlife さんによるドライフラワーにした桐の白い花と、小橋順明とクワイエット・ハウスによる花器の景色で、見立ててみました。

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この静かな空気感は、いかがでしょうか?

続いては、夢二・作「春を待つ」です。

若い女性が、自分の部屋で少し背中を丸めて、横座り気味に柔らかに正座して、視線を斜めに向けて、佇んでいます。傍らには、春の気配を象徴する、黄色い帯をした紙人形が、寄り添って、置かれています。

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再現にあたっては、山本さんによる、うずくまって、ぼんやりと何かのイメージを見ているような眼差しをした、陶人形を選びました。もの憂げな状態から、イメージに意識を向ける瞬間を切り取ったような造形です。

春のイメージの象徴として、新芽を出たばかりの小枝を用いました。小枝は、藤原寿賀子さんによる、黄味と青味を帯びた小さな花器に生け、早春のきらめき感を補ってみました。

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この平穏な空気感は、いかがでしょうか?

みなさんに、はらぺこうつわ、こと、山本薫さんの味わい深い造形世界を楽しんでもらえたら、嬉しいです。


*夢二による絵の画像は、ギャラリーメリーノ店主、清水繁子さんの許可を得て掲載しました。

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