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倉敷の3人の作家による魅力的なブルー

倉敷市本町の「Art space 路ゞ」で、何とも言えない魅惑的なブルーをした二つの器に出会いました。倉敷市大島に窯を構える岡島光則さんのコーヒーカップソーサーと、倉敷市阿知の兜山窯陶房の岡本達弥さんによる盃です。

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岡島光則・作 コーヒーカップソーサー
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岡本達弥・作 盃

それらのブルーは、空のブルーでもなく、海面のブルーでもない、とても深みのあるブルーです。何のブルーなのだろうか?、と思い巡らしていたところ、フリーダイバー・篠宮龍三さんの著書を想い出しました(篠宮龍三: 素潜り世界一 人体の限界に挑む. 光文社新書705, 光文社. 2014. P57-88)。

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篠宮龍三:ブルーゾーン. オープンエンド, 牧野出版, 2010. P55

フリーダイビングは空気タンクなどの呼吸器材は一切使わず、人の息だけでどれだけ潜れるかを競うスポーツです。ダイバーが海面下30m以上の深さを進むとき、肺が圧縮されて体の浮力が無くなり、重力に任せて、40m、50m・・・と静かに海の中へおちてゆきます。そのとき海は、ライト・ブルーからディープ・ブルーへ、ディープ・ブルーからダーク・ブルーへ、ブルーのグラデーションが深まり、闇に近づいて行くといいます。

岡島さんのコーヒーカップソーサーは、ちょうど、ディープ・ブルーからダーク・ブルーへと変化する、海の深さを現していたのでした。

深度100mを越えた世界は、グラン・ブルーと呼ばれる濃く深く均一なブルーに包まれ、もはや人工的には表現できない世界であるといいます。

岡本さんの盃は、グラン・ブルー手前のダーク・ブルーではないか、と想像しました。

追伸

浅い海は太陽光が到達し、また波と風が大気と海とを攪拌します。

浅い海のライト・ブルーと遭遇しました。白神典大さんによる青いガラスビースを用いた片口です。器の中では、海に差し込んだ太陽光が海中で揺らめいています。

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白神典大・作 ガラスの片口


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