![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62600675/rectangle_large_type_2_de24dd96da1758ccf3eb232a84b239bd.jpg?width=1200)
岡島光則さんの青の陶器によるフェルメール作「真珠の耳飾りの少女」の再現〜フェルメール・ブルーへの接近〜
フェルメールは寡作の画家で、現存する作品は37点しかありません。それらは全て、世界的に有名ですが、そのなかで最も人気があるのが「真珠の耳飾りの少女」でしょうか。
フェルメール作「真珠の耳飾りの少女」(1665年)マオリッツハイス美術館蔵 1)
「真珠の耳飾りの少女」は、今まで3回来日しており、筆者は、2012年に神戸市立博物館で開催されたマウリッツハイス美術館展で、本物を目の当たりにしました。作品の前で大勢の観衆が立ち止まって作品に見入る中、時間が止まり、作品から放射状に光が射してくるのを、確かに体験しました。
フェルメールは、高価な宝石であるラピスラズリを多用して、鮮やかな青を発色させた作品を遺しており、その神秘的な青は「フェルメールブルー」と言われています。「真珠の耳飾りの少女」もフェルメールブルーが印象的な作品です。
倉敷市大島に工房を構える陶芸家、岡島光則さんは、工学部出身で、日頃より系統的に発色を研究されていて、とりわけ、青の発色を追求されています。過日、岡山市の岡アートギャラリーで、岡島さんの個展が開催されたので、訪れたところ、展示会場で、鮮やかな青色をした陶器の小物入れと出会いました。それはかつて観た、フェルメールブルーに迫るものでしたので、導かれるようにして、即決で、その小物入れを購入しました。
作品は、個展終了後に我が家に届けられましたので、さっそく「真珠の耳飾りの少女」の再現に挑みました。
再現にあたって、少女の頭に巻かれたフェルメールブルーのターバンは、今回購入した小物入で表現しました。小物入れの蓋には金箔が貼られていたので、ちょうど、ターバンの先端の色に合致します。真珠の耳飾りは家内が大切にしている、本物を借りました。黒く塗られた絵の背景は、川月清志さんによる黒ベンガラ漆塗りのトレーを適応しました。
この抽象表現による空気感は、いかがでしょうか?
みなさんに、フェルメールブルーならぬ、「オカジマ・ブルー」を感じてもらえたら、嬉しいです。
引用文献
1)朝日新聞出版・編:フェルメールへの招待. 朝日新聞出版, 2012.付録