大澤恒夫さんのぐい呑み
画像は、備前焼のぐい呑みです。
岡山の表町商店街を歩いていて、ギャラリーを覗いた時に目に入りました。土の味わいがきわだった器で、高さ5.5cmで直径5.7cmの小さなものですが、姿・形は、抹茶茶碗のような堂々とした風格があります。それはまるで、長年生きてきた盆栽の落葉樹の様です。
美術館と違って、ギャラリーのよいところは、作品に直接触れられることです。ギャラリーの女主人に施錠してあるガラスの戸棚を開けてもらい、器を手に取って、驚きました。予想に反してとても軽いのです。そんな作者のはぐらかしがおもしろく、思わず衝動買いしてしまいました。自宅に帰って重量を測ったところ80グラムでした。これは刺身醤油用の小皿と同じぐらいの軽さです。書斎で愛でていると、作者のたくらみに、くすっと笑いが出てきます。
作陶者は、秋田県出身で岡山県和気町在住の陶芸家、大澤恒夫さんです。