尾道に行ってきました〜MOU 尾道市立大学美術館 インフォーカス 15ー卒業生の現在ー
筆者が推している総合芸術家の大島愛さんが、母校の尾道市立大学美術館で開催されている展示会「インフォーカス15ー卒業生の現在ー」(2024 10.19〜11.24)に出展されているので観に行ってきました。
JR倉敷駅から山陽本線で広島方面へ1時間、新装となったJR尾道駅に降り立ちます。
駅前では、尾道ゆかりの作家、林芙美子の銅像が出迎えてくれます。
駅前には、独立系の映画館が残っていて、さすが映画の町です。
上映されているのが娯楽映画ではなくて、芸術性の高い作品です。
尾道は、東西に細長く市街が伸びています。美術館に向かって、駅前の商店街に入り、東へ歩きます。
商店街の道ばたでは、毛並みがよい地域ねこが平和に過ごしています。
千光寺山ロープウェイが見えて来ました。往路は半ばを過ぎました。
駅から徒歩20分余りで、美術館に辿り着きました。
東の方を見ると、しまなみ海道の起点である尾道大橋が望めます。
美術館の正門の方に回ります。
こぢんまりとした、簡素で洗練化された建物です。
入り口で受付をして、第2展示室へ向かいます。
いよいよ大島さんの集大成となる作品群との対面です。
その日は、午前10時の開館一番乗りだったのですが、次々と尽きぬ発見があり、鑑賞の時間が足りません。
腹ごしらえに、お昼は、商店街の繁盛店で尾道ラーメンをいただきました。
濃厚な海と山の味覚をいただいて、午後から美術館を再訪しました。
大島愛さんは、アート界の人類学者です。
近代的な人間観においては、自分は、認識や行為の主体としての「自我」なのであって、これを信頼し、誇りにし、何から何まで自分の自由意志で選択し決定できると信じています。
大多数のアーティストは、「自我」という一点から世界を眺め、描写します。また、イメージの中でそういった世界を鳥のように自由に飛び回り、上空からながめ、再構成します。
しかし、大島さんは、そのような「自我」に確信が持てません。「自我」があると盲目的に信じているだけで、実は何も根拠がないことを、知ってしまったのでした。
大島さんは、自分とは何か、他者とは何か知りたくて、理論仮説を立てて試行錯誤しますが、未だに確信が得られません。それでも、他の多くのアーティストがスタートを切ったスタートラインの手前で我慢強く踏ん張っています。そんな苦闘の探求の歴史が展示されているではないですか!
大島さんが描く人物は、一点に魂があるのじゃなくって、体全体にふわっと魂をまとっているみたいです。
帰りは尾道水道沿いに海風に吹かれて帰途に着きました。
(2024年10月20日)
芸術家、大島愛さんについて、詳しくは、こちら。