ZARDデビュー30周年記念ストリーミングライブ“What a beautiful memory～30th Anniversary～” 異界との遭遇２
2021年2月10日は、ZARDがデビューして30周年の記念日でした。感染禍のなか、故・坂井泉水をサポートしていたミュージシャンが集まり、東京国際フォーラムにおいて、無観客の配信ライブが開催されました。
それは、2007年5月27日に亡くなった坂井泉水への慰霊のコンサートでもありました。ステージのスクリーンに生前の坂井泉水の映像が流され、ミュージシャンによる丹心を込めた演奏が始まると、永遠の時に支配された異界への幕が開き、幽玄能の舞台への換わっていました。そこは、アバター達による、ZARDデビュー30周年記念ストリーミングライブ“What a beautiful memory～30th Anniversary～”の真っ最中でした。
麻井寛史による控え目かつ、前のめりなベースが、ダダダダダッと楽曲の基底に響き渡ると、坂井泉水の霊が観客席の上空に降臨します。
大賀好修による、ユーモアたっぷりのアドリブを効かせたギター演奏に、坂井泉水は、くすっと笑って和みます。
ドラムの車谷啓介は、口を一文字に結んで、ドラムに集中して、懸命にエールを贈ります。
森丘直樹による濁りのない美しく澄み渡ったギターの響きが坂井泉水の悲しみを浄化します。
キーボード奏者、大楠雄蔵の指が軽やかに鍵盤の上で踊り、陶酔した坂井泉水は目を閉じます。
鈴木央紹のもの悲しいサックスの調べが、悲しみを絞り出して体外に出してくれます。
大田紳一郎、神野友亜、一条紀希、によるレーザービームのように伸びるコーラスが、射るように観客席上空へ届いて、坂井泉水を讃えます。
マニピュレーターの大藪拓は、演奏を統括しながら、幽玄の舞台に没入します。
坂井泉水の魂は、演奏を満喫し、慰められて再び天国へと還りました。
残された私たちは、次の再会まで生きる勇気をもらいます。
出演
陶布人形、陶の少女：制作；海野千尋
うさぎ、ピエロ：制作；山西寿雄
陶猫：制作；山本薫
陶のシロクマ：制作；山村富貴子
木彫のシロクマ：制作；三宅智之
ZARD 坂井泉水に関するまとめは、こちら。
創作にあたり、次のメディアを参照しました。
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