ナツコさん2〜ナツコさんの青春探訪〜
ナツコさんは、岡山市の高層商業施設・クレド岡山3階の雑貨店「シュランク」のオーナーです。
お店は、ただ可愛いだけでなく、奥深い感じがして、異界から来たような不思議な雰囲気のある、クセになるグッズで溢れています。
お店には、いつもコンスタントに顧客が訪れて、今ではクレド岡山の有力ショップになっています。
お店は7年前に表町中地下タウンから移転して来ました。表町中地下タウンのあったビルが老朽化して建て替えられることになり、テナントが退去しなければならなくなった時、以前からナツコさんのことを高く評価していたクレド岡山のキーパーソン・迫田美加子さんから誘われたのがきっかけでした。
お店の名前、「schlank」は以前紹介したように、細長いという意味のドイツ語です。間口の狭い、中で人がすれ違うのがやっとの小さなお店だったのに由来します。
ご本人に訊いてみたら、もともとは倉庫のスペースだったのだそうです。若き日のナツコさんが、家賃が安かったのと、小さな空間なので改装費が少なくて済んだため、入居を決めたそうです。
そこは、古びた地下の飲食店街だったので、雑貨店を営むには不利な立地でしたが、迫田さんによれば、不思議と繁盛していたそうです。
今回は、そんな、ナツコさんの青春の地を探訪してみました。
表町中地下タウンへは、表町商店街のアーケードから階段を降りて、天満屋の地階に通じる「てんちか」入口から入ります。
てんちかの通路を進むと、バスターミナルと反対方向の東側に、表町中地下タウンに通じる通路がありました。
今はひっそりとしていて、人通りもまばらです。通路を進むと、いよいよ表町中地下タウンの入り口が見えて来ました。
入口に入ってみると、地下空間は建て替えられていて、昔の面影はまったくありません。まるでSFに出てくる、スターシップの船内のようです。
ナツコさんからいただいたメモを頼りに、かつてお店があった空間座標を特定します。
シュランクがあったのは、通路の中央あたりなので、赤と黄緑のツートン・カラーのドアのあたりでしょうか。
ついに、シュランク創業の地に到着しました。ナツコさんもあれからこの空間に訪れていないとのことでしたので、報告したら喜んでもらえそうです。
通路の反対側は、壁になっていて、地下食堂街だった痕跡はまったくありません。
通路の階段から外に出てみると、ビルの谷間から天満屋本店ビルが見えました。
未来空間を旅して戻ってきたようで、一瞬、浦島太郎が感じたような、疎外感に包まれました。
短い時間でしたが、タイム・トラベルを満喫できました。
置かれた場所で、精一杯咲く花のような、可憐な人、
そ・れ・が、ナツコさん。
つづきは、こちら。