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外資系企業で働く年末年始のジレンマ
外資系企業のメリットと意外な盲点
外資系企業で働く魅力のひとつは、給与水準が高く、有給休暇が取得しやすいなど、手厚い福利厚生が挙げられます。しかし、長年勤務してきた私が唯一困る点は、日本の年末年始にしっかり休みが取れないことです。
年末年始を覆うアジア圏との「休暇のズレ」
多くの外資系企業はアジアを統括するリージョンオフィスを香港、シンガポール、または上海に設置しています。そこにはアジアのマネジメント層が集まり、業務の決裁もまずアジア地域で行われます。そのため、日本支社もアジアの一部としてこのリージョンの動きに従って業務が進行します。
ここで問題になるのが、アジア各国の年末年始の休暇のタイミングです。日本が年末年始で休む一方、中国や香港などのエリアでは旧正月(春節)が1〜2月のため、日本の年末年始に合わせた長期休暇は取られないのです。来年(2023年)は春節が1月23日から始まるようですが、これは年が明けてからの休みで、アジアオフィスにとっては年末にラストスパートをかけて仕事をするタイミングと重なります。
日本の年末年始とアジアオフィスの「仕事モード」の違い
アジアのリージョンオフィスにとって年末は通常業務の最盛期です。アジアオフィスのメンバーは日本の年末年始を意識することなく、通常の業務進行や新年に向けた準備を進めます。私は日本の年末年始をゆっくり過ごしたいと思いながらも、このタイミングで業務が続くため、PCと携帯が手放せなくなります。
年内に仕事を完了してリラックスしたいと思っても、アジアオフィスからの業務依頼や準備の指示が続き、年末年始も気が抜けません。例年、三が日を過ぎるか過ぎないかのタイミングでメールが来て、通常業務がスタートしてしまうのが実情です。実際、来年の1月4日には既にミーティングが予定されているというのが現状で、年始の休みがどうしても短くなってしまいます。
休暇中も気が抜けない「オンコール状態」
外資系企業で働く中で、この年末年始の微妙なズレによるストレスは非常に大きいです。休暇中であっても「いつ仕事が入るか分からない」気持ちが常にあり、結果としてPCや携帯を手元に置き、メールの確認をしてしまいます。旅行や家族との食事中に仕事に気を取られるため、「食事中に携帯をいじらないで」と家族に注意されることもしばしばです。
年末年始に学んだ「他地域の休暇スタイル」
他地域では、休暇期間中はしっかりと休み、予定された会議に不参加でも事前に報告していれば問題ありません。この姿勢に、私は最初驚きましたが、だんだんとそのスタイルに共感を覚え、今年は私も同じように「休む時はしっかり休む」を実行しようと決意しました。
今年の抱負:「シャットダウン休暇」で過ごす年末年始
今年の年末年始は、できる限りパソコンも携帯も「シャットダウン」し、徹底して休むことに挑戦してみようと思います。オンとオフを切り替えることで、年始にはリフレッシュした状態で仕事に向き合えるようにしたいと考えています。皆さんもどうか良い年末年始をお過ごしください。
P.S. この休暇に関する内容は特定の会社、人物について書かれているものではありません。