同期と人吉へ行った話
4年前、内々定が決まったあとのフォロー研修で、3人の男の子と出会った。
同じ総合職の同系統の同期は、この4人だけ。
1日しか研修は無かったけど皆すっかり打ち解けて、10月の内定者研修のときは前日に日帰り旅行をするくらいには馬が合うメンバーだった。
3月末をもってこのうちのひとりが退職するということで、かつて日帰り旅行した地・人吉へ行くことになった。
朝8:00に熊本に集合してから、車を借りて皆で人吉へ。
道中、桜が満開になってるのを見て、人吉の桜の名所を検索し、人吉城跡に行った。
天気は生憎の雨だったけど、途中途中霧雨になってくれたのに救われて、城内をぷらぷらとお散歩。
本丸まで上がれそうだったので、石段をひたすら上がっていった。皆四捨五入したらアラサーなので、石段を昇り降りするのがきつくて、筋肉痛を覚悟した。
途中途中で皆の写真を撮りながら、後をおいかけていった。
みんな生き生きしてて楽しそうで、写真撮るのが楽しかった。
本丸まであがったけど、頂上の屋根付きベンチでは先約のレディーたちが上品なお茶会を楽しんでいたので、旅行者は退散。笑
途中途中で遊びながら石段を降りていった。私は石段を降りるのがものすごく苦手なので、ある人の肩を借りながら降りていった。
この同期は、私が国家資格をとる時一緒だった人。周りは全然知らない先輩ばかりの中に2人で入って、更には皆を受からせるという暗黙のミッションが課せられていた。
彼が周りに早く馴染んでくれたお陰で、私は皆と仲良くできたと思う。院卒で1番年上だったのもあって、パパのような存在だった。
スーパー頼りにならないガキンチョ同期の私と一緒に試験頑張ってくれてありがとう。
そろそろお腹が空いてきたので腹ごしらえ。
うなぎが食べたいとリクエストがあったので、開いてるお店を見つけて入ってみた。
入ったお店は松田うなぎ屋。うなぎ丼をいただいた。
タレだけでご飯食べれる。あとは山椒が辛さで誤魔化されてない風味が最高の山椒だったので、皆でかけまくった。
美味しいものは世界を救う。
次に、近くの青井阿蘇神社へ。
ここは、かつて私も1人で来たことがあった。
昨年7月の九州北部豪雨を皆さんは覚えているだろうか。
氾濫した球磨川、濁流に飲み込まれる球磨川橋梁。泥水に浸かったくま川鉄道の車両。
この神社も冠水してしまっていた。どうなったんだろうって気になっていたから、今回無事な姿を見てお参りできてよかった。
橋の欄干はまだ崩れたまま。
写真展が開催されていたので見てみたけど、本当に昨年の豪雨の異常さを物語っていた。
今年もまたこのレベルで雨が降るかもしれない。
そのときに向けて備えないといけないなあと思った。
次はこの旅の目的地、肥薩線の矢岳駅へ向かった。
肥薩線は不通なので車で行ってみたけど、ものすごく遠いし、山道だからぐねぐねしてて大変だった。
着いてみたけど、勿論誰もいない。
前回はいさぶろうしんぺいに乗ってきて、途中の見学駅だったので人がたくさんいた。
現在、誰もいない、利用していない駅は、寂しくそこに佇んでいた。
このご時世で、次があるか本当に分からなくなってきた。
この駅は、このまま役目を終えるのかもしれない。運命を受け入れるのを、静かに待っているのか、しんとした空気だった。
駅のすぐそばに、人吉市のSL展示館がある。
私たちは2年前、ここで集合写真を客室乗務員さんに撮ってもらった。
もちろんここにも、今回は誰もいない。
でも、SLは大事に手入れされていて、あのときのままだった。
皆でまじまじと観察して、これなんだろうねえとか話をしていた。
同期の中で鉄道に詳しい人がいる。
彼とは鉄道好きで別のコミュニティでも繋がりがあって、けっこう頻繁に会うことか多い。
ちょっと気性がたまに激しいので喧嘩することもあったし、新入社員研修中からなぜか犬猿の仲だと呼ばれていたけど、ようやく皆に和解していることが伝わった。
彼は私の1年遅れで私の今の職場に来ることになるのだろう、きつい仕事だけど彼なら捌けると思うので頑張って欲しい。
私たちは2年前の写真を再現しようとしたけど、あの時は客室乗務員さんに撮ってもらったので結構大変だった。
なかなかいい位置にカメラが置けない。
そのへんにあるレンガを積んだりなんだりして、頑張って撮った写真は、痩せたり、あかぬけたり、太ったり、若干疲れで老けたりしていたけど、皆笑顔だった。
私にとって宝物の写真になった。
3月末で退職する同期は、唯一のほんとに同い年で、唯一最終面接から一緒だった人だった。
彼はIターン就職だったから、いつかは帰ってしまうのではと薄々感じていた。
国家資格の研修中とかに本当にしんどくて、彼に、私が国家資格取れるまで辞めないで!とお願いした事もあった。
結果、彼は私が転勤になるまで一緒にいてくれて、彼も同じ資格をとって同じ仕事をしてくれた。
彼はしっかりしているので、花形の職場配属になって、嬉しかった。
彼が最初から一緒にいたから私もここまで頑張れたところが大きい。
正直、いなくなるのはとても寂しいし、不安だ。
でも、彼は勇気を出して新しい道へ進むのだから、応援したい。私も頑張らないといけない。
同期がこの4人でよかったと思えた3年間だった。
皆の写真を撮りながら、みんなとの思い出を噛み締めた。
離れ離れになっても、仕事で辛い時1番頼りにするのは皆だろうし、良いことも悪いこともこのメンバーには報告するんだろうな。
みんな、ありがとう!
一旦解散するけど、これからもよろしく!