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忘れ物自慢
忘れ物と落とし物なら、だれにも負けない自信はある。
出かけるときに雨が降っていなければ、天気予報が雨でも傘を持って出るのを忘れて、途中で買う羽目になる。
だから、家には傘入れに入りきらず、玄関にかけてあるビニール傘が並んでいる。すてたいのだが、燃えないゴミの日に出すのを忘れる。
先日も出がけに雨が降っていなかったので、傘を持たずに出かけたら、駅に着く前に雨が降ってきたので、エキナカの3コインショップで猫のイラスト入りのビニール傘を購入した。
その日はエッセイ講座の日だったが、講座が終わってロビーでお茶を飲んでいて、傘を忘れたことに気が付いて教室に取りに行こうとしたら、前を走っている人が言った。
「傘、忘れちゃったわ! 大変」
「私もです、来るとき買ったばかりなのに!」
「あら、あなたも? もしかして、同じ傘じゃないの、猫のイラストのやつ。三百円ショップ」
ああ、そういえばよく忘れ物をする、というエッセイを『傘』という課題のときに、書いていたことがあったっけ。私もよく忘れ物をするが、この人もかなりのものだと感じてしまった。
あとから、同じような話を読んでも面白くもなんともないだろうから、傘の忘れ物話はやめることにしたのだった。
家に帰ってメールを開いたら、童話の会のお仲間から「ぺンケース、わすれてませんか?」とメールが入っていた。
実は、お財布も最近落としたが、ボロボロでお金も入っていなかったせいか、ショッピングセンターの警備員室に届いていてた。家に帰ったら留守電に入っていた。
気が付かずにスーパーで買い物をして、診察券入れに入れていたクレジットカードで払った。
世の中は捨てたものじゃないと、落し物が出てくるたびに思っている。