忘れられない日
11年前の今日、私は本千葉駅の前のブックオフでTカードを作って、介護の研修に行くためにホームで外房線の下り電車を待っていました。
その時、一本のメールが入って内容が「さよちゃんのうちが燃えている」というものでした。
まさか、という気持ちで、実家に電話をしましたが、母がいるはずなのに出ません。
恐る恐る、義妹に電話をしたら、本当に実家が火事に遭って、甥っ子が中にいる、と言って気丈な義妹が泣いていました。
現実のこととは思えませんでした。
研修を休む、と職場に連絡を入れて、内房線の下りに乗りました。
自宅には心を病んで休職している妹がいるので、テレビのニュースで知ってとっさに何かしないように電話をしました。
なぜ、こんなことが起こるのか、と怒りが湧いてきました。
家に着くまでの時間をあれほど長く感じたことはありません。
実家の前には「KEEP OUT]と書かれた黄色いテープが張られていました。
消防車とパトカーが何台も止まっていました。救急車もいました。ドラマではなく現実なのだと思うと、なぜ、という言葉しか出てきませんでした。
「この家のひとだから、入れてあげて!」とテープの中に入れてもらいました。
家は全焼して甥っ子と甥っ子の友達が亡くなりました。
二人は重なり合って見つかったので身元が判明するまでに、一週間ほどかかりお葬式を出した日には桜が満開でした。
甥っ子は、桜の咲く日に生まれてきて、桜の舞う日に天国に帰って行きました。
子供のころに仏様が好きで仏師になりたいと言っていたので仏様のもとに帰って行ったのだと思っています。
ケアマネの有効期限も今日まででした。明日からはただのひとです。
今日はいろいろな意味で忘れられない日です。
13日の金曜日は、なんとなく緊張してしまいます。
一日無事に過ごせますように、と祈りたくなってしまいます。
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