ストレスに弱い飼い主……=^_^=
あたしクララ。新しいおうちに引っ越して一か月と十二日目だけど、いいひとと、苦手な人がいる。
だから、声を聞いて苦手な人だったら、押し入れに逃げこむ。
だけど、飼い主はそうはいかない。
あたしにはふたりの飼い主がいる。
病気で長く入院していて歩けなくなってしまった恵子と、恵子の介護をしているおねえちゃんの佐代子だ。
三人とも苦手なのが、新しいケアマネの○○鬼さん。
鬼が可哀そうなほど大変な人だ。
二回目に家に来たとき、三時間もいて、恵子をいじめた。
恵子は長い病気のために心も病んでしまって、心療内科に通院している。その恵子に向かって○○鬼は言ったのだ。
「精神的なことは自律神経の乱れが原因なんだから、規則正しい生活をしなければだめ。自分で治ろうとしなければ、いつまで経っても治らないからね」と。
佐代子は隣であやふやに笑っていた。
それが五月六日のこと。
それから、○○鬼と佐代子の闘いの火ぶたが落とされた。
佐代子は負けるのがきらいだ。
元ケアマネだから、勉強不足のケアマネは許せない。
佐代子には脳性麻痺という障害があるから、「ケアマネになるために努力もしたし、ケアマネになってからも事業所に迷惑をかけないように勉強したのよ」といっていた。
○○鬼は、主任ケアマネなんだそうだが、介護保険と障害者総合支援法の併用に詳しくなかったようで、市役所から恵子の移動支援の支給時間を減らされて、沙代子が電話で怒っていた。
「きちんと理解していないのに勝手に市役所に行かないでください」って。
おかげで恵子は外出の機会が減ってしまった。
何日か前に、整形外科に行って「リウマチの気があるといわれ、少し貧血気味」といわれたそうだ。
今週の月曜日に生活習慣病内科に行き、「リウマチは大丈夫だけど、なんで二か月まえは正常だったのにこんなに貧血が進んじゃったの?」 といわれたそうだ。
「あたし、なにか悪い病気ですか?」
「不正出血はないの?」
「ないですよ!」
「だけど、どこからか出血してるんだよ。便は黒くない?」
「ああ、黒っぽいかもしれません」
「胃に潰瘍ができてるかもなぁ。あなた、ストレスに弱いからなぁ」といわれたそうだ。
結局佐代子が一番ストレスに弱い。
あたしは押し入れに逃げられるし、恵子は寝たふりができるけど、沙代子は直接○○鬼と闘っているから、病気になってしまったようだ。
恵子もそれではいけないと思ったようで、ケアマネを交代できるように相談できるところを探しているようだ。
頑張れ、佐代子、あと少しの辛抱だ。
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