じゃましないでよ、あたしのお布団なんだからね……🐱🐱🐱
うふふ、ウフフ、フカフカお布団。
お外は寒くて、雨なんか降っちゃってるけど、あたしはお布団に寝てるから、あったかいんだけどね。
今日はね、あたしは忙しかったの。
今日は車いすの飼い主さんがね、病院に行くから、朝早く起きなくちゃいけないのに、起きないから、もう一人の飼い主さんを起こしたの。
(にゃー、じゃ起きないから、ギャーギャー、って、鳴いて、パジャマの袖も引っ張って、ちょっと足もかんじゃって)
「あら、クララ、早いね、おやつ」
ジーー、って、見つめたら、
「あ、そうだ、病院だ、起こさなくちゃ。ありがとクララ」
もうぉー、あたしの飼い主は手がかかるんだから、あたしはいつも大変なのよ。
「ごめんね、あとで、おやつ上げるからね」
いまじゃないの。
「きょうは、ゴミも出さなくちゃいけないの。ケイコ起きな、ごはん食べて、着替えしなくちゃ」
「ゆっくりじゃないと、おきられないもん」
「ベッド、起こすからね、介助バー使って、ひとりで起きてよ」
「うるさいなぁ、早くゴミ出してくれば」
「そうだった。ゴミ出してこなくち。クララ、ケイコをよろしくね」
了解、みはってるよ。ニャー。
帰ってきた飼い主さんが震えながらいったの。
「寒い、雨降ってる、ケイコ、タクシーで行きなよ」
「わかった」
「時間がないから、パンとヨーグルトとトマトジュースでいいかな」
「いいよ」
「食べちゃったら着替えようね」
「うん」
あーあ、ふたりが朝ごはん絵を食べて、ケイコが出かけないと、あたしのおやつは出てこなそうだわ。
ちょっとうしろを向いてすねてみようかな……」
「クララ、ごめんね。ケイコが出かけたら、おやつ上げるからね」
覚えててくれればいいのよ。
着替えをして、車いすを準備して、忘れ物をチェックして、車いすにケイコが乗ったから、ヘルパーさんをお迎えしなくちゃ。
ピンポーン、ほら来た。
ニャー!
「あら、クララちゃん、おはよう。お見送りありがとう」
「玄関で、タクシー呼んで、行ってください」
ヘルパーさんにお願いしてるけど、ケイコが電話をかけてるよ。
「だめだよ、エレベーターから降りてからかけないと、すぐ来ちゃったら、待ってる場所がないんだから」
「大丈夫10分くらいで着くって」
「あ、そう。行ってらっしゃい。よろしくお願いします」
ハイハイ、次こそあたしよ。
足の周りをうろうろしちゃう。
すぐ、忘れるんだから、このひと。
「あ、クララのおやつだ、いま、あげるよ」
ほら、忘れてる。
「ちゃんと、ささみ味とマグロ味あげるからね」
よし、よし、トロリとろとろおいしいなぁ。
食べたら、おねんね、朝からよく働いたよ、あたし。
じゃましないでよ。