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占い師さんがいったこと……🌸🌸

 むかし、私は介護保険のケアマネージャーをしていたことがありました。
 その時、担当した利用者さんに占い師さんがいました。
 その時に、その方を担当することになったのは、前の担当ケアマネが急に移動になり、私が引き継ぐことになって、初めて訪問した時のことです。
 玄関を入ると、いきなり言われたのです。、
「あなた、キュウシカセイでしょう」
 何のことか分からずあたふたしながら考えました。
「ビックリなさった、わたくし占い師なんですの? うふふ」といって、玄関にかけてある占い師の許状を指さしました。
「は、はあ、よろしくお願いいたします。ケアマネの井口です」とあいさつしました。
「あなた物を書くのがお好きなんじゃありません」と聞かれて、
「あ、ハイ、好きです!」
「やっぱり、そういうお顔なさってるもの」
 そんなことを言われたのは初めてでした。
「ケアマネさんもむいていないことはないけど、いつかきっとそっちの道に行かれると思うわよ」
 信じられないでしょ。初対面なのに。だけど、確かに私は九紫火星なんです。物を書くのも好きなんです。
 信じてみたくなりました。

 妹が、可愛がっていた甥っ子を実家の火事で亡くして、精神的に不安定になり、ひとりで家に置いておけなくなって、見守るために仕事を辞めました。
 母がいったのです。
「お前の給料じゃ、住宅ローンは払えない。恵子を仕事復帰させれば、ずっとそこに住んでいられるから、仕事を辞めて、面倒をみて復職さ。生活費はおれが援助してやる」と。
 悪魔のささやきです。
 妹は公務員で、私は民間事業所のケアマネだったので、給料に2倍以上の差があり、私の給料では住宅ローンの返済は無理でした。

 私は母の提案に乗ることにして、心療内科に相談に行きました。復職のための訓練施設を探すためです。
 医師には驚かれました。
「家族はあんまりそういう相談には来ないのですけど、おねえさんお仕事は」と聞かれました。
「ケアマネです」
「ああ、なるほど、訓練施設がどういうところが知っているんですね」
「はい、だからお願いしています」
 そこから、妹を仕事復帰させるために、デイケアに通うことになりました。
 最初はデイケアまで電車とバスで送りました。
 ひとりで通えるようになるまで、だんだん送る場所を近くにしていきました。
 妹をデイケアに送ると私にはひとりの時間ができるようになり、なにか書いてみようと思ったら、友人が母の話しが聞きたいから書いて、といったので、書くことにしました。

 不思議ですね。
 占い通りになったようです。
 

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