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所感 ”サッカーシステム大全” #4  その他感想

サッカーの戦術を一から学び直しているのですが、読んだ本の所感を自分の勉強がてら記載します。

今回も、現鹿島アントラーズコーチの岩政大樹氏の『サッカーシステム大全』です。
概要の記事はこちら。
4バックの特徴まとめはこちら。
3バックの特徴まとめはこちら。


今回は、本書に書いてある内容に対し、個人的に思ったことを記載します。

■場面ごとのシステム提示
本書でも解説しているとおり、攻撃と守備でシステムを変えたり、守備においてZONEごとに守備の仕方を変えたりと、場面ごとにシステムを提示することがヨーロッパを中心に増えています。
一方で、システムだけで片付けてはダメで、最終的な絵をどこに持っていくか、目的を共有することが大事と本書にも書いてあります。

後者について、まあそれはそうなのですが、チーム全体で絵を描くことや目的を共有することが難しいからこそ、場面に応じたシステムの採用が増えているのだと思います。(そしてそれが結果にもつながっている)
選手個人によって育った環境も違いますし、サッカーに対する考え方など様々なものが違っています。日本人でも全然違いますし、まして海外の選手がいるとまったく違ってくると思います。
そんな前提のもと、場面に応じた同じ絵や共通の目的を試合の中で持つなどほぼ不可能だと言えます。

よく、大して戦術のない人物が新たに監督に就任した際、戦術が浸透すればもっとチームは良くなる、とか開幕当初は言われたりします。
ただ、実際には全然良くならずにそのまま終わるケースも多々あります。(個人的に浦和レッズをよく見ているので、最近だとオリベイラ監督とか)

これは言い換えると、監督のサッカーが浸透すれば(というか時間が経てば)チームで同じ絵が描ける、共通の目的を持つようになる、と勘違いしているからとも言えます。

上述の理由から、そんなものはいつまで経っても持てるようにはなりません。
だからこそ、場面ごとに細分化したシステムが増えてきているのだと個人的には考えています。


■4-2-3-1について
社会人でサッカーをやっていたとき、どちらかというと守備のバランスを整えたいという理由から、個人的に4-2-3-1を好んで使用していました。
本書を読んでいて、その理由が改めて明確になりました。(本書では、4-2-3-1が最も多く採用されている理由が記載されています)
その理由を簡単に記載すると、以下のようになります。
 ・守備面で急所となるスペースがない
 ・戦術を細かく定めなくてもバランスが取れる
 ・様々な個性を生かしやすい(例えば、SHがドリブラー、パッサー、
  クロッサー、いずれでも他のポジションの選手との組み合わせで可能)
 ・チーム内の競争を生み出しやすい(システムに縛られる特定の個性が
  必要ないため)


■セットプレーの守備について
本書ではセットプレーのシステムについても記載されています。
その中でコーナーキックの守備について詳細に記載されており、ゾーンかマンツーマンかの話もあります。
個人的には、ゾーンはプロならではのやり方だと思っています。

ゾーンで守っている相手と戦ったことがありますが、はっきり言ってザルでした。
おそらく、一人ひとりのカバーすべきゾーンを守れるだけの力がないからだと考えています。
個人がカバーすべきゾーンを守れる、それができるのはプロの選手(というかプロの中でも上位クラス)だけだと思います。


以上で、本書についての記載は終わりになります。

もっと早く読んでいれば(というか出版されていれば)、あの時こういうことができたのになあ、と思うところがたくさんありますが、これからのサッカー観戦の視点が広がる本でした。

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