『レッドスワン』があまりに面白かったので感想などを記載#2
レッドスワンについての感想の続きを記載します。
レッドスワン概要
概要は前回の記事を参考
https://note.com/kuraoh/n/nc71581ce049b
フィクションではあるが結構現実的
小説なのでストーリーが上手く行き過ぎというのはもちろんあるのですが、一方で現実的なことも結構書いてあります。
そのバランスが絶妙で、リアルな世界を思い浮かべつつもストーリーを楽しむことができます。
ここではその現実的な内容について記載していきます。
身体能力がないとプロにはなれない
主人公の同級生のボランチで、技術や戦術眼も非常に優れている選手がいます。
作中ではゲームコントロールやセットプレーなどでかなり活躍しているのですが、監督は「身体能力がないからプロにはなれない」とバッサリと言い切っています。
これは正しくそのとおりで、現実の世界でも身体能力がないとプロにはなれません。なったとしても活躍できません。
(遠藤保仁選手のような超絶な技術や戦術眼があれば別かもしれませんが。まあ遠藤選手もスタミナは相当あるみたいで走れる能力は持っているようですが)
反対に、身体能力さえあれば、技術がそこまでなくてもプロになり活躍することができます。
スピードがあるだけ、身長が高いだけでプロで活躍している選手も実際にいますし。
良い選手がいないと勝てない
作中では監督にフォーカスがあたっている場面も多く、『<知性>を使って勝利を目指』すことが表現されています。
その一方で、選手のレベルが高くないと勝てないとも言っています。
作中では、「主人公がいる世代の次の世代は全国大会に出られるか分からない、だから今年のうちに世代別の日本代表に選ばれなさい」
と1年生の有望選手に監督が言っています。
これは、以前書いた「高校サッカーに名将はいない」と考え方は同じです。
学生サッカーは監督ではなく選手が重要です。
実際、作中でも、
●主人公は元世代別の日本代表
●センターバックとゴールキーパーは高校選抜に選ばれU-19にも選ばれる、ドイツのクラブからのオファーをもらう
●主人公の2学年下のレギュラーは、
・Jリーグクラブのジュニアユース出身(実力はその中でもトップだが素行に問題がありユースに昇格できず高校に入学)
・中学時代県選抜
・クラブユースからオファーをもらったが高校に入学
といった感じの選手が揃い、レギュラーのレベルはかなりハイレベルでした。
監督にフォーカスを当てながらも選手の重要さも理解しており、作者はサッカーをかなり理解していることが分かります。
トーナメントは守備が重要
高校サッカーの2大大会であるインターハイと選手権はいずれもトーナメント形式です。
トーナメントでは失点をしなければ勝つことができます。
引き分けでも良いゴールキーパーがいればPKで勝つことができます。
作中でも、有力な選手を守備に配置し、守備的に戦い勝ち進んでいっています。
(最後の方では攻撃的な戦術を採用する試合もあるのですが、基本的には守備が優先されています)
実際の大会でも、全ての試合1-0で勝って全国大会に出場するようなチームもありますし、現実世界に則したストーリーにもなっています。
今回の記述は以上になります。
作者の好意により無料で読むこともできますし、興味があれば是非読んでほしいです。
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